21PM139|第21回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者について、問いに答えよ。「53歳の女性。クッキーを食べたとき唾液の分泌が悪いのに気付いた。最近は涙の分泌も悪く眼球乾燥もある。シルマー試験は陽性で、免疫血清検査の抗Ro/SS-A抗体、抗La/SS-B抗体も陽性であった。」最も考えられる疾患はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
乾燥症状と自己抗体から疾患を推定する問題です。
53歳女性、唾液分泌の低下、涙の分泌低下と眼球乾燥、シルマー試験陽性、抗SS-A抗体と抗SS-B抗体が陽性という所見を統合します。
解説
シェーグレン症候群は、涙腺と唾液腺を中心とする外分泌腺が自己免疫の機序で慢性的に障害される疾患です。中年以降の女性に圧倒的に多く発症します。
主症状は**乾燥性角結膜炎による眼球乾燥(ドライアイ)**と、**口腔乾燥(ドライマウス)**です。クッキーやパンなど乾いたものが食べにくい、水がないと飲み込めない、目がごろごろするといった訴えが典型です。
シルマー試験は、濾紙を下眼瞼に挟んで涙液の分泌量を測る検査で、分泌低下があれば陽性となります。抗Ro/SS-A抗体と抗La/SS-B抗体は、この疾患に特徴的な自己抗体です。この症例の所見はすべて合致します。
他の膠原病を伴わないものを原発性、関節リウマチなど他の膠原病に合併するものを続発性と呼びます。この症例では他の膠原病を示す所見が示されていないため、原発性シェーグレン症候群が最も考えられ、これが正答です。
ベーチェット病は、口腔内アフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、ぶどう膜炎を四主症状とする疾患で、HLA-B51と関連します。
**全身性硬化症(強皮症)**は、皮膚と内臓の線維化を特徴とし、レイノー現象が初発症状となることが多く、抗Scl-70抗体や抗セントロメア抗体が関与します。
全身性エリテマトーデスは、若い女性に多く、蝶形紅斑、日光過敏、腎障害を特徴とし、抗DNA抗体と抗Sm抗体が特異的です。
選択肢の確認
1.ベーチェット病
誤り。口腔内アフタ性潰瘍と眼症状を主とし、HLA-B51と関連します。
2.全身性硬化症
誤り。皮膚硬化とレイノー現象が特徴です。
3.全身性エリテマトーデス
誤り。蝶形紅斑と腎障害が特徴で、抗DNA抗体が特異的です。
4.原発性シェーグレン症候群
正しい。乾燥症状、シルマー試験陽性、抗SS-A抗体と抗SS-B抗体陽性に合致します。
覚えるポイント
- シェーグレン症候群=中年女性、ドライアイとドライマウス、シルマー試験、抗SS-A抗体・抗SS-B抗体。
- 原発性(単独)と続発性(他の膠原病に合併)に分けられる。
- 生検では唾液腺(小唾液腺)へのリンパ球浸潤がみられる。
- 対応=人工涙液と唾液の補充、口腔ケア(う蝕が増えるため)、乾燥への生活指導。