21PM140|第21回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者について、問いに答えよ。「53歳の女性。クッキーを食べたとき唾液の分泌が悪いのに気付いた。最近は涙の分泌も悪く眼球乾燥もある。シルマー試験は陽性で、免疫血清検査の抗Ro/SS-A抗体、抗La/SS-B抗体も陽性であった。」唾液、涙の分泌改善を目的に支配神経の近傍に刺鍼を行う場合、適切な経穴はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
唾液腺と涙腺の分泌を支配する神経の近くにある経穴を選ぶ問題です。
解説
涙腺と唾液腺(顎下腺、舌下腺)の分泌を担う副交感神経線維は、顔面神経に含まれます。涙腺へは大錐体神経を経て翼口蓋神経節へ、顎下腺と舌下腺へは鼓索神経を経て顎下神経節へ至ります。
顔面神経は、側頭骨の中を通り、茎乳突孔から頭蓋の外へ出ます。茎乳突孔は乳様突起の前方にあり、その体表の目印となるのが翳風です。
翳風は手の少陽三焦経の経穴で、耳垂の後方、乳様突起下端の前方の陥凹部に取ります。顔面神経が頭蓋外へ出る部位のすぐ近くであるため、顔面神経に働きかける目的の刺鍼部位として適切であり、これが正答です。顔面神経麻痺の治療にも重要な経穴です。ただし深部には内頸静脈や顔面神経本幹があるため、深刺は避けます。
天柱は足の太陽膀胱経の経穴で、後頸部、僧帽筋外縁の陥凹部、後髪際の上方5分に取ります。後頸部の筋に対応する経穴であり、顔面神経の走行ではありません。
風池は足の少陽胆経の経穴で、後頸部、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間の陥凹部に取ります。こちらも後頸部の経穴です。
秉風は手の太陽小腸経の経穴で、肩甲部、棘上窩にあります。肩甲部の経穴であり、顔面神経とは関係しません。
選択肢の確認
1.天柱
誤り。後頸部の僧帽筋外縁にあります。
2.翳風
正しい。耳垂後方、乳様突起下端の前方にあり、顔面神経が茎乳突孔から出る部位に近い位置です。
3.風池
誤り。後頭骨の下方、後頸部にあります。
4.秉風
誤り。肩甲部の棘上窩にあります。
覚えるポイント
- 翳風=耳垂の後方、乳様突起下端の前方。**顔面神経(茎乳突孔)**の近く。深刺は避ける。
- 顔面神経の副交感成分=涙腺(大錐体神経)、顎下腺と舌下腺(鼓索神経)。
- 耳下腺の分泌は舌咽神経(耳神経節を経る)。
- 顔面神経麻痺の治療穴=翳風、地倉、頬車、四白、陽白、顴髎、合谷。