21PM90|第21回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
脊髄損傷による完全対麻痺患者に対する社会復帰支援で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
完全対麻痺患者の社会復帰支援として適切なものを選ぶ問題です。
対麻痺では上肢が保たれている点が要点です。
解説
完全対麻痺は、胸髄以下の脊髄損傷により両下肢が麻痺した状態です。上肢の機能は保たれているため、車椅子を自分でこぐことができ、手だけで操作する装置(手動運転装置)を装備すれば自動車の運転が可能です。自動車運転免許の取得は、通勤や通学、社会参加の範囲を大きく広げるため、社会復帰支援として最も適切であり、これが正答です。
電動車いすでの屋外移動は、上肢の機能が保たれている対麻痺では、まず自走式(手動)車椅子による移動を目指します。自分でこぐことは上肢の筋力維持と体力の向上にもつながります。電動車椅子が必要になるのは、上肢の機能も障害される頸髄損傷の場合です。
下肢装具での実用歩行は、完全対麻痺では現実的とはいえません。長下肢装具と杖を用いた歩行訓練が行われることはありますが、多大なエネルギーを要するため実用的な移動手段にはなりにくく、日常の移動は車椅子が中心となります(損傷高位が低い場合には実用歩行が可能なこともあります)。
入浴サービスの手配は、生活を支える介護サービスであり有用ですが、社会復帰(就労や社会参加)を直接支援するものではありません。
なお脊髄損傷では、褥瘡、尿路感染、自律神経過反射、深部静脈血栓症の予防が長期の管理で重要です。
選択肢の確認
1.電動車いすでの屋外移動
誤り。上肢が保たれているため自走式車椅子を目指します。
2.下肢装具での実用歩行
誤り。完全対麻痺では実用的な移動手段になりにくいものです。
3.自動車運転免許の取得
正しい。手動運転装置により運転が可能で、社会参加の範囲が広がります。
4.入浴サービスの手配
誤り。生活を支える介護サービスであり、社会復帰の直接的支援ではありません。
覚えるポイント
- 完全対麻痺=上肢が保たれる。自走式車椅子と手動運転装置による自動車運転が社会復帰の柱。
- 頸髄損傷では上肢も障害され、電動車椅子や環境制御装置が必要になる。
- 長期管理の要点=褥瘡、尿路感染、自律神経過反射、深部静脈血栓症、異所性骨化の予防。
- 褥瘡予防=定期的な除圧(プッシュアップ)、体位変換、皮膚の観察。