22PM124|第22回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。「18歳の女性。2週間前から耳鳴りがする。大学受験のため不安とイライラで情緒不安定となっている。顔が紅潮し、口が苦く咽の渇きを訴える。舌質は紅、脈は弦数。」
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
肝火上炎の病証を読み取る問題です。
18歳女性、耳鳴り、不安とイライラ、顔面紅潮、口が苦い、咽の渇き、舌質は紅、脈は弦数という所見を統合します。
解説
イライラして情緒が不安定であることは肝の疏泄の失調を、脈が弦であることも肝の病を示します。そこに顔面紅潮、口の苦み、咽の渇き、舌質が紅い、脈が数という熱の所見が加わっています。
すなわち、肝気の鬱滞が長引いて熱に転化した**肝火上炎(肝火)**の病証と判断されます。口が苦いのは、肝と表裏関係にある胆の熱によって胆汁が上逆するためと説明され、肝胆の熱を示す特徴的な所見です。耳鳴りも、肝火が経脈に沿って上部を突き上げることで生じ、この場合は音が大きく突然始まる実証の耳鳴りとなります。
したがって治療の対象となる病証は肝火であり、これが正答です。方針としては清肝瀉火を図り、行間(肝経の滎火穴)、太衝、風池、翳風、聴会、侠渓、丘墟などを用います。
血を補うのは血虚に対する方針で、顔色不良、めまい、淡白舌、細脈がある場合です。この症例の紅舌と弦数脈は熱を示しており、合いません。
陽気を補うのは陽虚に対する方針で、冷えや寒がりが中心の場合です。熱証であるこの症例とは逆になります。
痰湿を除くのは、頭重感、胸苦しさ、厚膩苔、滑脈がある場合の方針です。この症例の所見とは合いません。
選択肢の確認
1.血を補う
誤り。血虚に対する方針です。
2.陽気を補う
誤り。陽虚に対する方針であり、熱証とは逆です。
3.痰湿を除く
誤り。厚膩苔と滑脈を伴う場合の方針です。
4.肝火
正しい。イライラ、顔面紅潮、口苦、紅舌、弦数脈から肝火上炎と判断されます。
覚えるポイント
- 肝火上炎=イライラ、頭痛、顔面紅潮、目の充血、口苦、耳鳴り、紅舌、弦数脈。
- 口が苦いのは肝胆の熱を示す特徴的な所見。
- 実証の耳鳴り=音が大きく突然始まる。虚証(腎虚)の耳鳴り=音が小さく持続し、疲労で悪化。
- 治療=清肝瀉火(行間、太衝、風池、翳風、聴会、侠渓)。