22PM125|第22回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の病証に対する治療方針として適切なのはどれか。「58歳の女性。数年前から手足の冷えで悩んでいる。症状は雨の日にひどくなる。膝の重だるい痛みが常にある。舌苔は白膩。脈は濡。」
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
寒湿による痺証を読み取り、治療方針を選ぶ問題です。
58歳女性、手足の冷え、雨の日に悪化、膝の重だるい痛み、白膩苔、濡脈という所見を統合します。
解説
雨の日に悪化することと重だるい痛みは、湿邪の重濁性と粘滞性を示す典型的な所見です。関節の痛みとしては着痺(湿痺)にあたります。白膩苔は寒湿を、濡脈(浮いていて細く軟らかい脈)は湿と虚を示します。さらに手足の冷えがあることから、単なる湿ではなく寒湿であり、背景に陽気の不足があると考えられます。
湿を運化して除くのは脾の働きであり、その脾の陽気が不足すると、水湿を処理できずに停滞し、冷えと重だるさが生じます。すなわち脾陽虚を背景とした寒湿の停滞と判断されます。
したがって治療方針は脾陽を補うことであり、これが正答です。脾兪、中脘、足三里、陰陵泉、三陰交、関元、命門などを用い、灸法を併用して温めることが有効です。
気滞を除くのは、脹痛と情志による変動、弦脈がある場合の方針です。この症例の重だるい痛みと濡脈とは合いません。
瘀血を除くのは、刺痛、舌質紫暗、舌下静脈の怒張、濇脈がある場合の方針です。この症例の所見とは合いません。
腎陰を除くという表現は、治療方針として成立しません。腎陰は補うべきものであり、また熱証の所見もないため、この症例には合いません。
選択肢の確認
1.気滞を除く
誤り。脹痛と弦脈がある場合の方針です。
2.瘀血を除く
誤り。刺痛と濇脈がある場合の方針です。
3.腎陰を除く
誤り。方針として成立せず、この症例にも合いません。
4.脾陽を補う
正しい。冷え、重だるい痛み、白膩苔、濡脈から脾陽虚を背景とした寒湿と判断されます。
覚えるポイント
- 着痺(湿痺)=重だるい痛み、部位が固定、天候(雨や湿気)で悪化。
- 白膩苔=寒湿。黄膩苔=湿熱。濡脈=湿と虚。
- 脾は湿を悪む。脾陽虚では水湿が停滞し、冷えと重だるさを生じる。
- 治療=脾陽を補い湿を除く。灸法が有効。脾兪、中脘、足三里、陰陵泉、関元。