22PM138|第22回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「35歳の女性。1年前からめまい発作に苦しんでいる。めまいは回転性で悪心・嘔吐を伴うこともある。他に難聴、耳鳴り、耳閉感がみられる。グリセロール検査陽性、舌診では胖大舌、白膩苔、脈は滑を示した。」病証に基づく治療方針として適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
痰湿によるめまいを読み取り、治療方針を選ぶ問題です。
胖大舌、白膩苔、滑脈という所見に注目します。
解説
胖大舌は、舌の体が大きくむくんで歯痕がつく舌で、脾気虚や陽虚、水湿の停滞を示します。白膩苔は、白くべったりした苔で、寒湿や痰湿を示します。滑脈は、玉が皿を転がるようななめらかな脈で、痰湿、食滞、実熱を示します。
これら三つの所見はいずれも湿痰(痰湿)の存在を強く示しており、めまいの原因として痰濁上擾(痰が上部を覆い清陽を妨げる)が考えられます。悪心・嘔吐を伴うことも、痰湿が胃気の下降を妨げていることと整合します。
したがって治療方針は**湿痰を除く(化痰去湿)**ことであり、これが正答です。豊隆(痰を除く要穴)、中脘、内関、陰陵泉、脾兪、足三里などを用い、脾の運化を高めて痰の生成を断つことも重視します。
肝陽の高ぶりを抑えるのは、肝陽上亢によるめまいに対する方針で、頭痛、いらいら、顔面紅潮、紅舌、弦脈がある場合です。この症例の胖大舌と白膩苔は合いません。
胃の気を降ろすのは、嘔吐や噯気、吃逆が主体の場合の方針です。この症例でも悪心・嘔吐はありますが、中心となる病態は痰湿であり、根本を除く方針が優先されます。
固摂作用を高めるのは、出血、自汗、多尿、遺尿といった漏れ出す症状に対する方針です。この症例の所見とは合いません。
選択肢の確認
1.肝陽の高ぶりを抑える。
誤り。頭痛やいらいら、紅舌と弦脈がある場合の方針です。
2.胃の気を降ろす。
誤り。嘔吐や噯気が主体の場合の方針です。
3.固摂作用を高める。
誤り。出血や多汗、多尿に対する方針です。
4.湿痰を除く。
正しい。胖大舌、白膩苔、滑脈から痰湿と判断されます。
覚えるポイント
- 痰湿=胖大舌、膩苔、滑脈。頭重、めまい、悪心、胸苦しさ、四肢の重だるさ。
- めまいの弁証=肝陽上亢、痰濁上擾、気血両虚、腎精不足。
- 痰を除く要穴=豊隆。あわせて中脘、内関、陰陵泉、脾兪。
- 脾は生痰の源、肺は貯痰の器。脾の運化を高めることが根本的な対策。