22PM140|第22回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「33歳の女性。疲労しやすく、抑うつ状態が続いている。肩こり、食欲不振を伴い、最近では早朝覚醒がみられる。他に時々喉が詰ったような違和感がある。舌は薄白苔、脈は弦脈を呈した。」病証に基づいた治療方針として適切なのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
肝気鬱結に対する治療方針を選ぶ問題です。
解説
前問と同じ症例です。抑うつ状態、肩こり、食欲不振、早朝覚醒、梅核気、弦脈、胸脇苦満から、**肝気鬱結(気滞)**と判断されます。
肝は疏泄を主り、気の流れを伸びやかに保つ働きをもちます。精神的なストレスが続くとこの働きが損なわれ、気が滞ります(気滞)。その結果、抑うつやいらいら、ため息、胸脇部の張り、喉のつかえ感が生じ、さらに脾胃を妨げて食欲不振をきたします。
したがって治療方針は**気滞を除く(疏肝理気)**ことであり、これが正答です。太衝(肝経の原穴)、期門(肝の募穴)、膻中(気会)、内関、合谷、陽陵泉、肝兪などを用います。あわせて、生活と情志の調整を助言することも重要です。
瘀血を除くのは、刺痛、舌質紫暗、舌下静脈の怒張、濇脈、小腹急結がある場合の方針です。この症例には瘀血を示す所見が示されていません。
血を補うのは、顔色不良、めまい、動悸、淡白舌、細脈がある血虚に対する方針です。この症例の弦脈とは合いません。
津液を補うのは、口や皮膚の乾燥、便の乾燥といった津液不足がある場合の方針です。この症例の所見とは合いません。
なお、気滞が長引くと血瘀や化火(熱への転化)を生じるため、早い段階で気の流れを整えることが重要とされます。
選択肢の確認
1.瘀血を除く
誤り。刺痛や舌質紫暗、濇脈がある場合の方針です。
2.気滞を除く
正しい。梅核気、胸脇苦満、弦脈から肝気鬱結と判断されます。
3.血を補う
誤り。血虚に対する方針です。
4.津液を補う
誤り。乾燥の所見がある場合の方針です。
覚えるポイント
- 肝気鬱結=抑うつ、いらいら、太息、胸脇苦満、梅核気、月経不順、弦脈。
- 治療=疏肝理気。太衝、期門、膻中、内関、合谷、陽陵泉、肝兪。
- 気滞が長引くと血瘀や**化火(肝火上炎)**に転じる。
- 肝が脾胃を妨げると肝脾不和・肝気犯胃となり、食欲不振や腹痛を伴う下痢を生じる。