22PM158|第22回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
灸による温熱刺激の受容・伝導について正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
温熱刺激の受容と伝導を問う問題です。
解説
温度の受容には、温度感受性のイオンチャネルが関与します。代表的なものが**TRPチャネル(一過性受容器電位チャネル)**で、特定の温度域に達するとチャネルが開き、陽イオンが流入して神経終末が脱分極します。たとえば、43度前後の熱刺激で開くチャネルは、カプサイシン(唐辛子の辛味成分)にも反応することが知られています。したがって「熱刺激で開くイオンチャネルが関与する」が正しく、これが正答です。灸の温熱刺激も、こうした仕組みを介して受容されます。
II群線維により伝導されるという記述は誤りです。II群線維はAβ線維にあたり、触圧覚を伝えます。温度感覚と痛覚を伝えるのは、細い有髄の**Aδ線維(III群)と無髄のC線維(IV群)**です。温覚は主にC線維、冷覚は主にAδ線維が伝えます。
腹側脊髄視床路を上行するという記述も誤りです。温痛覚を伝える主要な上行路は**外側脊髄視床路(新脊髄視床路)**です。腹側脊髄視床路(前脊髄視床路)は主に粗大な触圧覚を伝えます。
温度感覚は順応が起こりにくいという記述も誤りです。温度感覚は順応しやすい感覚の代表です。風呂に入った直後は熱く感じても次第に慣れるのがその例です。順応しにくいのは痛覚であり、これは組織の損傷を知らせ続ける必要があるためと理解されます。
選択肢の確認
1.熱刺激で開くイオンチャネルが関与する。
正しい。温度感受性のイオンチャネルにより受容されます。
2.Ⅱ群線維により伝導される。
誤り。AδとC線維(III群とIV群)により伝えられます。
3.腹側脊髄視床路を上行する。
誤り。外側脊髄視床路を上行します。
4.温度感覚は順応が起こりにくい。
誤り。温度感覚は順応しやすい感覚です。
覚えるポイント
- 温度の受容=自由神経終末と温度感受性イオンチャネル(TRPチャネル)。
- **温覚は主にC線維(IV群)、冷覚は主にAδ線維(III群)**が伝える。
- 温痛覚の上行路=外側脊髄視床路。脊髄後角で乗り換え、同じ高さで交叉。
- 温度感覚は順応しやすく、痛覚は順応しにくい。