22PM89|第22回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
脳卒中のリハビリテーション中に起こる骨折の特徴で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
脳卒中患者の転倒・骨折の危険因子を問う問題です。
解説
半側空間無視は、主に右の頭頂葉の障害により、左側の空間を認識できなくなる症状です。本人はその欠落に気づかないため、左側の障害物や段差、人にぶつかったり、左側から近づくものに反応できなかったりします。車椅子の左側のブレーキをかけ忘れる、左側のフットサポートを外し忘れるといったことも起こります。
このため転倒の危険が著しく高く、その結果として骨折が起こりやすくなります。したがってこれが正答です。対応としては、右側から声をかけて注意を向けさせる、左側にも意識を向ける訓練を行う、環境を整理して障害物を減らす、といった配慮を行います。
健側下肢が多いという記述は誤りです。骨折は**患側(麻痺側)に多く生じます。理由は、麻痺側では不動による骨萎縮(廃用性骨粗鬆症)**が進んでいること、感覚が鈍く危険を察知しにくいこと、支持性が乏しく転倒時に体重が麻痺側にかかりやすいことです。大腿骨近位部の骨折が代表的です。
抗血栓剤の内服で起こりやすいという記述も誤りです。抗血栓薬は血液を固まりにくくする薬であり、転倒時に**出血しやすく(頭蓋内出血や皮下出血)**なる点で注意が必要ですが、骨折そのものを起こしやすくするものではありません。
失語症の合併で起こりやすいという記述も、直接の危険因子としては適切ではありません。意思疎通が難しくなることで間接的な影響はありえますが、転倒の直接的な原因となるのは、半側空間無視、注意障害、バランス障害、麻痺の程度です。
選択肢の確認
1.健側下肢が多い。
誤り。骨萎縮と支持性の低下により患側に多く生じます。
2.抗血栓剤の内服で起こりやすい。
誤り。出血しやすくなりますが、骨折そのものを増やすものではありません。
3.半側空間無視の合併で起こりやすい。
正しい。左側の障害物に気づけず転倒しやすくなります。
4.失語症の合併で起こりやすい。
誤り。転倒の直接的な危険因子ではありません。
覚えるポイント
- 半側空間無視=主に右頭頂葉の障害。左側の空間を認識できない。本人は気づかない。
- 脳卒中後の骨折は**患側(麻痺側)**に多い。廃用性骨粗鬆症と支持性の低下による。
- 転倒の危険因子=半側空間無視、注意障害、バランス障害、視野障害、薬剤。
- 予防=環境整備、適切な装具と歩行補助具、声かけ、段差と照明の工夫。