23AM11|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
我が国の院内感染で問題となっている病原体はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
院内感染の原因となる病原体を問う問題です。
解説
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、多くの抗菌薬に耐性を示す黄色ブドウ球菌で、日本における院内感染の代表的な原因菌です。抵抗力の低下した入院患者、手術後の患者、高齢者、カテーテルを留置している患者などで、肺炎、敗血症、創部感染、腸炎を起こします。医療従事者の手指を介した伝播が主な経路であるため、手指衛生の徹底と標準予防策が最も重要な対策です。したがってこれが正答です。
破傷風菌は、土壌中に存在する嫌気性の芽胞形成菌で、創傷部から侵入して感染します。破傷風毒素により開口障害、痙笑、後弓反張といった強い筋の硬直を起こしますが、人から人へは伝播しません。したがって院内感染の原因菌ではありません。予防はトキソイドによる予防接種です。
日本脳炎ウイルスは、コガタアカイエカという蚊が媒介するウイルスです。ブタの体内で増殖したウイルスを蚊が運びます。人から人への感染はなく、院内感染の原因ではありません。
鳥インフルエンザウイルスは、主に鳥類の間で流行するインフルエンザウイルスで、感染した鳥やその排泄物との濃厚な接触により人に感染することがあります。人から人への持続的な感染は通常起こらず、院内感染の代表的な原因とはされません(感染症法では二類感染症に分類されるものがあります)。
院内感染の原因として重要なものにはほかに、緑膿菌、バンコマイシン耐性腸球菌、多剤耐性アシネトバクター、クロストリジオイデス・ディフィシル、ノロウイルスがあります。
選択肢の確認
1.破傷風菌
誤り。土壌中の菌で、人から人へは伝播しません。
2.日本脳炎ウイルス
誤り。蚊が媒介し、人から人へは感染しません。
3.鳥インフルエンザウイルス
誤り。感染した鳥との接触が主な感染経路です。
4.MRSA
正しい。日本における院内感染の代表的な原因菌です。
覚えるポイント
- MRSA=院内感染の代表。多剤耐性の黄色ブドウ球菌。手指衛生が最重要の対策。
- 院内感染の原因=MRSA、緑膿菌、VRE、多剤耐性アシネトバクター、クロストリジオイデス・ディフィシル、ノロウイルス。
- 標準予防策=すべての血液、体液、分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚を感染源とみなす。
- 鍼灸施術でも単回使用鍼、手指衛生、施術部位の消毒、使用済み鍼の適切な廃棄を徹底する。