23AM75|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「20歳の女性。呼吸困難、全身倦怠感の精査のため受診。胸部レントゲン写真で心拡大と肺うっ血を認めた。心エコー検査では左室内腔は著明に拡大し、心室中隔と左室後壁は薄くなっていた。」本疾患の所見で適切なのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
拡張型心筋症による心不全の所見を問う問題です。
20歳女性、呼吸困難と全身倦怠感、心拡大と肺うっ血、心エコーで左室内腔の著明な拡大と心室中隔・左室後壁の菲薄化という所見から判断します。
解説
左室内腔が著明に拡大し、壁が薄くなっているという所見は、拡張型心筋症を示します。心筋の収縮力が低下して心室が拡大するもので、若年者にも発症し、進行性の心不全をきたします。
心不全が進行すると、左心不全に加えて右心不全の所見も現れます。右心の機能が低下すると全身の静脈系に血液がうっ滞し、頸静脈怒張、肝腫大、腹水、下腿の浮腫がみられます。したがって頸静脈怒張が正答です。頸静脈怒張は、右心系の充満圧の上昇を反映する重要な身体所見で、坐位や半坐位で観察します。
尿量増加は誤りです。心不全では心拍出量が低下して腎血流量が減り、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系とバソプレシンが活性化されるため、ナトリウムと水が貯留して尿量は減少します。その結果、浮腫と体重増加が生じます。
左房径縮小も誤りです。左心室の機能が低下すると左心房への負荷が高まるため、左房は拡大します。左房拡大は心房細動の原因にもなります。
肺動脈圧低下も誤りです。左心不全による肺うっ血が続くと、肺血管の抵抗が高まって肺動脈圧は上昇します。これがさらに右心に負担をかけ、右心不全へと進みます。
選択肢の確認
1.尿量増加
誤り。腎血流の低下と体液の貯留により尿量は減少します。
2.頸静脈怒張
正しい。右心不全による全身の静脈うっ滞を反映します。
3.左房径縮小
誤り。左心室の機能低下により左房は拡大します。
4.肺動脈圧低下
誤り。肺うっ血により肺動脈圧は上昇します。
覚えるポイント
- 拡張型心筋症=左室の拡大と壁の菲薄化、収縮力の低下。若年者にも発症。
- 左心不全=肺うっ血。労作時呼吸困難、起坐呼吸、湿性ラ音。
- 右心不全=全身のうっ血。頸静脈怒張、肝腫大、腹水、下腿浮腫。
- 心不全では尿量が減少し、体重が増加する。体重の変化は管理の指標となる。