23AM77|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「45歳の男性。高血圧、頻拍発作の精査で受診。血中ナトリウム、カリウム値は正常範囲内であったが、腹部CTにて右副腎部に腫瘍病変を認めた。」本患者によくみられる所見はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
褐色細胞腫の症状を問う問題です。
45歳男性、高血圧と頻拍発作、血中ナトリウムとカリウムは正常、右副腎部の腫瘍という所見から判断します。
解説
副腎の腫瘍があり、発作性の高血圧と頻脈を呈し、電解質は正常であるという組合せは、褐色細胞腫を強く示唆します。副腎髄質のクロム親和性細胞から発生する腫瘍で、**カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)**を過剰に分泌します。
褐色細胞腫の症状は、頭文字をとって5つのHとして整理されます。Hypertension(高血圧)、Headache(頭痛)、Hyperhidrosis(発汗過多)、Hyperglycemia(高血糖)、Hypermetabolism(代謝亢進)です。したがって頭痛が正答です。頭痛は、発作性の急激な血圧上昇に伴って生じます。発作は、体位の変換、腹部の圧迫、精神的興奮、排尿などで誘発されることがあります。
発汗量減少は誤りです。カテコールアミンの過剰により交感神経の作用が高まるため、発汗は増加します。
低血糖も誤りです。カテコールアミンは肝でのグリコーゲン分解と糖新生を促し、インスリンの分泌を抑えるため、高血糖となります。
貧血も誤りです。褐色細胞腫の特徴的な所見ではありません。
診断には、**血中および尿中のカテコールアミンとその代謝産物(メタネフリン、バニリルマンデル酸)**の測定と、CTやMRI、シンチグラフィが用いられます。治療は手術による摘出です。なお、原発性アルドステロン症では低カリウム血症を伴うため、電解質が正常であることがこの症例で褐色細胞腫を支持する手がかりになっています。
選択肢の確認
1.頭痛
正しい。発作性の血圧上昇に伴って生じ、5つのHの一つです。
2.発汗量減少
誤り。交感神経の作用が高まり発汗は増加します。
3.低血糖
誤り。糖新生とグリコーゲン分解が促され高血糖となります。
4.貧血
誤り。特徴的な所見ではありません。
覚えるポイント
- 褐色細胞腫=副腎髄質の腫瘍、カテコールアミンの過剰。
- 5つのH=高血圧、頭痛、発汗過多、高血糖、代謝亢進。発作性が特徴。
- 診断=血中と尿中のカテコールアミンとその代謝産物、画像検査。
- 原発性アルドステロン症=高血圧+低カリウム血症、代謝性アルカローシス、レニン低値。