23AM79|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「70歳の男性。嚥下障害と体重減少で来院し、食道癌と診断された。さらに右眼瞼下垂と縮瞳が認められた。」本疾患について適切なのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
食道癌の特徴を問う問題です。
解説
食道癌は、食道の部位別では胸部中部食道に最も多く発生します(およそ半数)。次いで胸部下部食道が多くなります。したがって「中部食道に多い」が正しく、正答です。
腺癌が多いという記述は誤りです。日本の食道癌は、扁平上皮癌が大部分(およそ9割)を占めます。食道が重層扁平上皮に覆われているためです。危険因子は喫煙と飲酒、特に両者の併用で、飲酒により顔が赤くなる体質(アセトアルデヒド脱水素酵素の活性が低い)の人ではさらに危険が高まります。なお、欧米では逆流性食道炎に伴うバレット食道から生じる腺癌が増えています。
化学療法は用いられないという記述も誤りです。食道癌の治療では、内視鏡的治療、手術、化学療法、放射線療法が、病期に応じて単独または組み合わせて用いられます。特に化学療法と放射線療法を併用する化学放射線療法は、手術に代わる選択肢としても行われます。
予後は良いという記述も誤りです。食道癌は、予後が不良な癌の代表です。食道は壁が薄く漿膜をもたないため周囲へ浸潤しやすく、またリンパ流が豊富で早期からリンパ節転移をきたしやすいことが理由です。加えて、早期には無症状で、嚥下時のつかえ感や体重減少で気づかれたときには進行していることが多くなります。
選択肢の確認
1.腺癌が多い。
誤り。日本では扁平上皮癌が大部分を占めます。
2.中部食道に多い。
正しい。胸部中部食道が最も多い発生部位です。
3.化学療法は用いられない。
誤り。化学療法と放射線療法が重要な治療手段です。
4.予後は良い。
誤り。浸潤とリンパ節転移をきたしやすく、予後は不良です。
覚えるポイント
- 食道癌=扁平上皮癌が大部分、胸部中部食道に好発、予後不良。
- 危険因子=喫煙と飲酒(特に併用)、熱い飲食物。
- 症状=嚥下時のつかえ感、嚥下困難、体重減少、胸背部痛、嗄声(反回神経浸潤)。
- 食道は漿膜をもたず周囲へ浸潤しやすい。リンパ流が豊富で転移しやすい。