23PM101|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「顔色が黒ずむ、呼吸が苦しく咳がでる、立ちくらみ、食欲がない、寝ることを好んで起きたがらない。」難経六十九難の治療法則を考慮して施術を行う場合、最も適切な経穴はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
腎虚証を読み取り、難経六十九難の原則で選穴する問題です。
顔色が黒ずむ、呼吸が苦しく咳が出る、立ちくらみ、食欲がない、寝ることを好んで起きたがらないという所見を統合します。
解説
顔色が黒ずむことは、五色の配当で黒が腎に対応することから、腎の失調を示します。寝ることを好んで起きたがらないという状態は、陽気の不足による嗜眠(但欲寐に近い状態)であり、こちらも腎の衰えを示します。立ちくらみは、腎精が髄を生じ脳を養うという関係から、腎精の不足として説明されます。呼吸が苦しいことは、腎の納気作用の低下(腎不納気)として理解されます。
以上をまとめると腎虚証と判断されます。
六十九難の原則は「虚すればその母を補う」です。腎は五行で水に属し、水を生じる母は金です。したがって、金に配当される穴、すなわち経金穴を補います。
具体的には、自経である腎経の経金穴である復溜と、母経である肺経の経金穴である経渠を補います。選択肢のうち該当するのは経渠であり、これが正答です。経渠は、前腕前外側、橈骨茎状突起と橈骨動脈の間、手関節掌側横紋の上方1寸に取ります。
太渓は腎経の兪土穴かつ原穴で、腎の病証に広く用いられますが、六十九難の原則で選ばれる穴ではありません。
大都は脾経の滎火穴で、脾虚証で母(火)を補う際に用います。
曲泉は肝経の合水穴で、肝虚証で母(水)を補う際に用います。
選択肢の確認
1.太渓
誤り。腎経の兪土穴かつ原穴です。
2.大都
誤り。脾経の滎火穴であり、脾虚証で用います。
3.曲泉
誤り。肝経の合水穴であり、肝虚証で用います。
4.経渠
正しい。肺経の経金穴であり、腎虚証で母(金)を補う穴です。
覚えるポイント
- 六十九難=虚すれば母を補い、実すれば子を瀉す。
- 腎虚証=**復溜(腎経の経金穴)と経渠(肺経の経金穴)**を補う。
- 五色=青(肝)、赤(心)、黄(脾)、白(肺)、黒(腎)。
- 腎は納気を主る。失調すると吸気が浅く呼吸が苦しくなる(腎不納気)。