23PM125|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「86歳の女性。8月の日中に開かれたゲートボール大会でめまい感、悪心、軽い頭痛を訴えた。発汗量は少ない。バイタルサインに異常は認めない。」患者への初期対応で適切でないのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
熱中症への初期対応として適切でないものを選ぶ問題です。
86歳女性、8月の日中の屋外活動、めまい感、悪心、軽い頭痛、発汗量は少ない、バイタルサインに異常なしという所見から判断します。
解説
夏の日中の屋外活動中に生じためまい感、悪心、頭痛は、熱中症を強く疑わせます。高齢者では体温調節能力と口渇感が低下しており、発汗量が少なく脱水に気づきにくいため、特に注意が必要です。
**自動体外式除細動器(AED)**は、心停止(心室細動または無脈性心室頻拍)の際に用いる機器です。この症例ではバイタルサインに異常がなく、意識もあり、心停止ではありません。したがってAEDを使用することは適切ではなく、これが正答です。AEDは反応がなく正常な呼吸がない場合に、胸骨圧迫とあわせて用いるものです。
木陰に寝かせることは適切です。まず涼しい場所へ移動させ、衣服をゆるめて安静にすることが熱中症対応の第一歩です。
鼠径部に氷のうを当てることも適切です。頸部、腋窩、鼠径部には太い血管が体表近くを走るため、ここを冷やすことで効率よく体温を下げられます。あわせて、体表に水をかけて風を送る方法も有効です。
スポーツドリンクを飲ませることも適切です。意識がはっきりしていて自力で飲めるのであれば、水分と塩分をあわせて補給します。水だけでは血中のナトリウムが薄まり、かえって症状が悪化することがあるためです。
なお、意識障害がある、自力で水分を摂れない、けいれんがある、体温が著しく高い場合は、重症(熱射病)であり、直ちに救急要請が必要です。
選択肢の確認
1.木陰に寝かせる。
誤り(適切である)。涼しい場所への移動が第一歩です。
2.鼠径部に氷のうを当てる。
誤り(適切である)。太い血管のある部位を冷やすと効率よく体温が下がります。
3.自動体外式除細動器(AED)を使う。
正しい(適切でない)。心停止ではないため、使用の適応がありません。
4.スポーツドリンクを飲ませる。
誤り(適切である)。水分と塩分をあわせて補給します。
覚えるポイント
- 熱中症の対応=涼しい場所へ移動、衣服をゆるめる、冷却(頸部・腋窩・鼠径部)、水分と塩分の補給。
- 意識障害、自力で飲めない、けいれん、著しい高体温があれば直ちに救急要請。
- 高齢者は体温調節能と口渇感が低下し、発汗が少なく脱水に気づきにくい。
- AEDは心停止(心室細動、無脈性心室頻拍)に用いる。意識と呼吸があれば適応外。