23PM126|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「19歳の男性。体操競技選手。体幹のひねり動作時に腰部に違和感を訴え、近医にて分離すべり症と診断された。母趾の背屈力が弱い。」施術対象となる椎間関節部位で最も適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
腰椎分離すべり症の高位を、神経症状から推定する問題です。
19歳男性、体操競技、体幹のひねり動作で腰部に違和感、分離すべり症と診断、母趾の背屈力が弱いという所見に注目します。
解説
母趾の背屈(伸展)を担うのは長母趾伸筋で、この筋の主な支配髄節はL5です。したがって母趾の背屈力の低下はL5神経根の障害を示します。
L5神経根は、第5腰椎と第1仙椎の間(L5-S1)の椎間孔から脊柱管の外へ出ます。したがって、この高さでの病変がL5神経根を障害することになり、施術の対象となる椎間関節の部位はL5-S1間であり、これが正答です。
また、腰椎分離症は関節突起間部(峡部)の疲労骨折であり、第5腰椎に最も好発します。体幹の伸展と回旋を繰り返すスポーツ(体操、野球、バレーボール、サッカー)の成長期選手に多くみられ、この症例の競技と受傷動作にも合致します。分離が生じた椎体が前方へすべると分離すべり症となり、神経根が牽引・圧迫されて下肢症状が現れます。
L5神経根の障害では、母趾と足関節の背屈力低下のほか、下腿外側から足背にかけての知覚障害がみられ、腱反射は正常(膝蓋腱反射はL4、アキレス腱反射はS1を反映するため)である点が特徴です。
施術では、L5-S1の高さに対応する経穴(関元兪の部位、大腸兪の下方、上髎の部位)と、L5の走行に沿った経穴を用います。ただし、進行するすべりや膀胱直腸障害がある場合は医療機関での評価を優先します。
選択肢の確認
1.L2-L3間
誤り。この高さの障害では大腿前面の症状が中心となります。
2.L3-L4間
誤り。L4神経根の障害となり、膝蓋腱反射が減弱します。
3.L4-L5間
誤り。この高さの椎間板ヘルニアではL5神経根が障害されますが、分離すべり症としてはL5-S1が好発です。
4.L5-S1間
正しい。第5腰椎に好発し、L5神経根の障害に合致します。
覚えるポイント
- 腰椎分離症=関節突起間部の疲労骨折、第5腰椎に好発、伸展と回旋の繰り返し。
- L5神経根=母趾と足関節の背屈、下腿外側から足背の知覚、腱反射は正常。
- L4=膝蓋腱反射、下腿内側。S1=アキレス腱反射、足底屈、下腿後面から足外側。
- 進行するすべりや膀胱直腸障害があれば医療機関での評価を優先する。