23PM127|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
鍼施術で治療対象となる筋はどれか。「17歳の女子。陸上部の長距離選手。練習開始時、脛骨内側縁の中1/3と下1/3の境界付近に軽い痛みを覚えるようになったが、日常生活に支障はない。エックス線像に異常は認めない。」
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
シンスプリントの罹患筋を問う問題です。
17歳女子、陸上長距離選手、脛骨内側縁の中3分の1と下3分の1の境界付近の痛み、練習開始時に出現、エックス線に異常なし、という所見に注目します。
解説
脛骨の内側縁の中下部に生じる運動時の痛みで、エックス線に異常がないという組合せは、**シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎、脛骨内側ストレス症候群)**を示します。ランニングとジャンプの繰り返しにより、脛骨内側に付着する筋の牽引と、骨への繰り返しの負荷によって骨膜に炎症が生じるものです。
関与する筋としては、ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋が挙げられます。特にヒラメ筋は、脛骨の後面(ヒラメ筋線)に広く起始をもち、その内側部が脛骨内側縁に沿って付着するため、シンスプリントの罹患筋として重視されます。したがってこれが正答です。治療では、この筋の緊張をゆるめる目的で三陰交、漏谷、地機、承山などへの施術を行い、あわせて練習量の調整、足底のアーチの評価、シューズと路面の見直し、ふくらはぎのストレッチを指導します。
長母趾伸筋は、腓骨と骨間膜から起こり母趾の背屈を担う筋で、下腿の前方にあります。脛骨内側縁の部位ではありません。
前脛骨筋も、脛骨の外側面から起こって足関節を背屈させる筋で、下腿の前方コンパートメントにあります。脛骨の内側縁ではありません。
長腓骨筋は、腓骨の外側面から起こって足を外反させる筋で、下腿の外側コンパートメントにあります。こちらも部位が異なります。
なお、痛みが局所に強く限局し、安静時にも続く場合は、脛骨の疲労骨折を疑い、画像による評価が必要です。エックス線では初期に写らないことがあるため、MRIが有用です。
選択肢の確認
1.長母指伸筋
誤り。下腿前方にあり、母趾の背屈を担います。
2.前脛骨筋
誤り。下腿前方にあり、足関節の背屈を担います。
3.ヒラメ筋
正しい。脛骨後面から内側縁に付着し、シンスプリントの罹患筋です。
4.長腓骨筋
誤り。下腿外側にあり、足の外反を担います。
覚えるポイント
- シンスプリント=脛骨内側の中下部の痛み。ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋が関与。
- 局所穴=三陰交、漏谷、地機、承山。脛骨内縁の後際に沿って取る。
- 指導=練習量の調整、足のアーチの評価、シューズと路面の見直し、ストレッチ。
- 限局した強い痛みや安静時痛は疲労骨折を疑う。MRIが有用。