23PM131|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
患側に対する低周波鍼通電療法の刺鍼部位で最も適切なのはどれか。「48歳の女性。右側の立脚相で明らかな左骨盤の沈下を認める。」
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
トレンデレンブルグ徴候から罹患筋を推定し、鍼通電の部位を選ぶ問題です。
48歳女性、右側の立脚相で左骨盤の沈下という所見に注目します。
解説
片脚立ちのとき、支えている側(立脚側)の中殿筋が働いて骨盤を水平に保ちます。この筋の筋力が低下していると、遊脚側の骨盤が下がってしまいます。これがトレンデレンブルグ徴候です。
この症例では、右側の立脚相で左の骨盤が沈下しているため、支えている右側の中殿筋の筋力低下があると判断されます。すなわち患側は右であり、施術の対象は右の中殿筋です。
したがって、中殿筋の上にある経穴を選びます。
居髎は足の少陽胆経の経穴で、上前腸骨棘と大転子頂点の中点に取ります。まさに中殿筋の上にあたります。
環跳も胆経の経穴で、殿部、大転子頂点と仙骨裂孔を結ぶ線上、外方3分の1に取ります。深部には梨状筋と坐骨神経があり、殿部の筋群に働きかけられます。
したがって、居髎と環跳の組合せが、殿部の筋への通電として最も適切であり、これが正答です。あわせて、歩行時のふらつきに対して、中殿筋の筋力強化訓練や杖の使用を指導します。
肓門と腰眼は、いずれも腰部(第1腰椎の高さの外方3寸と、第4腰椎の高さの外方3寸5分)の経穴で、腰部の筋に対応します。中殿筋の局所ではありません。
次髎と膀胱兪は、仙骨部(第2後仙骨孔と第2後仙骨孔の高さの外方1寸5分)の経穴で、仙骨部に対応します。
維道と足五里は、維道が下腹部の外側(上前腸骨棘の内下方)、足五里が大腿内側にあり、いずれも中殿筋の部位ではありません。
選択肢の確認
1.肓門と腰眼
誤り。いずれも腰部の経穴です。
2.次髎と膀胱兪
誤り。いずれも仙骨部の経穴です。
3.維道と足五里
誤り。下腹部外側と大腿内側の経穴です。
4.居髎と環跳
正しい。いずれも殿部にあり、中殿筋を含む殿筋群に対応します。
覚えるポイント
- トレンデレンブルグ徴候=立脚側の中殿筋の筋力低下により、遊脚側の骨盤が下がる。
- 患側は支えている側(立脚側)。この判断が要点。
- 居髎=上前腸骨棘と大転子頂点の中点。環跳=大転子頂点と仙骨裂孔を結ぶ線の外方3分の1。
- 原因=中殿筋の筋力低下、上殿神経麻痺、変形性股関節症、先天性股関節脱臼。