23PM135第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第23回午後(科目未分類)

「35歳の女性。左側の首の付け根付近のこり感が強い。大杼から上方に引いた線が僧帽筋上部線維の前縁を超えたところの陥凹部に顕著な圧痛・硬結を認めた。頸部の右側屈で左頸部外側から肩甲骨上角にかけて伸張痛がある。上肢症状はない。」罹患筋として最も適切なのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1

この問題のポイント

頸肩部の罹患筋を、圧痛点の位置と伸張痛の分布から特定する問題です。

解説

所見を整理します。

大杼から上方に引いた線が僧帽筋上部線維の前縁を超えたところの陥凹部は、後頸部で僧帽筋の前縁にあたる部位です。大杼は第1胸椎棘突起下縁の外方1寸5分にあり、そこから上方へたどると、頸椎の横突起の後方付近に達します。この深部にあるのが肩甲挙筋です。

頸部を右側屈すると左の頸部外側から肩甲骨上角にかけて伸張痛が生じています。肩甲挙筋は、第1から第4頸椎の横突起から起こり、肩甲骨の上角に停止する筋です。したがって、反対側へ側屈させるとこの筋が引き伸ばされ、その走行に一致して頸部外側から肩甲骨上角へ痛みが生じます。伸張痛の分布が肩甲挙筋の走行そのものであることが決め手です。

上肢症状がないことは、神経根症や胸郭出口症候群を否定する方向に働きます。

以上から罹患筋は肩甲挙筋であり、これが正答です。肩甲挙筋は、長時間のデスクワークや猫背の姿勢、重い荷物を片側で持つ習慣などで緊張しやすく、「首の付け根のこり」として自覚される代表的な筋です。

頭半棘筋は後頸部の正中に近い深層にあり、後頭部から項部の症状に関わります。肩甲骨上角へ向かう走行ではありません。

中斜角筋は頸椎横突起から第1肋骨へ向かう筋で、その間隙で腕神経叢が絞扼されると胸郭出口症候群となり、上肢のしびれを伴います。この症例では上肢症状がありません。

小菱形筋は頸椎の棘突起から肩甲骨内側縁の上部へ向かう筋で、肩甲骨の間の症状に関わります。頸部外側の伸張痛とは分布が異なります。

選択肢の確認

1.肩甲挙筋
正しい。頸椎横突起から肩甲骨上角へ走行し、伸張痛の分布に一致します。

2.頭半棘筋
誤り。後頸部の正中に近い深層にあります。

3.中斜角筋
誤り。腕神経叢の絞扼に関わり、上肢症状を伴います。

4.小菱形筋
誤り。肩甲骨内側縁の上部に向かい、肩甲骨間の症状に関わります。

覚えるポイント

  • 肩甲挙筋第1から第4頸椎の横突起から肩甲骨上角へ。肩甲背神経支配。
  • 「首の付け根のこり」の代表的な筋。反対側への側屈で伸張痛が誘発される。
  • 対応する経穴=肩中兪、肩外兪、天髎、天柱の外側。
  • 上肢症状の有無が、神経根症や胸郭出口症候群との鑑別の手がかりになる。
23PM13423PM136
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)