23PM136|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「35歳の女性。左側の首の付け根付近のこり感が強い。大杼から上方に引いた線が僧帽筋上部線維の前縁を超えたところの陥凹部に顕著な圧痛・硬結を認めた。頸部の右側屈で左頸部外側から肩甲骨上角にかけて伸張痛がある。上肢症状はない。」本症例に低周波鍼通電療法を行う場合、陥凹部の圧痛・硬結部と組合せる刺鍼点として最も適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
肩甲挙筋への鍼通電で、組み合わせる刺鍼点を選ぶ問題です。
解説
鍼通電では、同一の筋の走行に沿って二点を選ぶことで、その筋に効率よく刺激を与えられます。
前問で罹患筋は肩甲挙筋と特定されました。肩甲挙筋は、第1から第4頸椎の横突起から起こり、肩甲骨の上角に停止します。
この症例では、頸部側の圧痛・硬結部(僧帽筋前縁の陥凹部、すなわち筋の起始に近い部位)が一方の刺鍼点として与えられています。したがって、もう一方は停止部である肩甲骨上角の付近を選ぶのが適切です。
肩外兪は手の太陽小腸経の経穴で、上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に取ります。これは肩甲骨の内側縁の上部、すなわち肩甲骨上角の付近にあたるため、肩甲挙筋の停止部への刺鍼点として最も適切です。したがってこれが正答です。
風池は足の少陽胆経の経穴で、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間にあります。後頭下筋群と頭半棘筋に対応する部位であり、肩甲挙筋の停止部ではありません。
肩井は足の少陽胆経の経穴で、第7頸椎棘突起と肩峰外縁を結ぶ線の中点にあります。僧帽筋上部線維の上にあたり、肩甲挙筋の走行そのものではありません。またこの部は深部に肺尖があるため、深刺は禁忌です。
曲垣は手の太陽小腸経の経穴で、肩甲部の棘上窩の内側端にあります。棘上筋に対応する部位であり、肩甲挙筋の停止部よりやや下方かつ外側になります。
選択肢の確認
1.風池
誤り。後頭下筋群と頭半棘筋に対応します。
2.肩井
誤り。僧帽筋上部線維に対応し、深刺は禁忌です。
3.曲垣
誤り。棘上窩にあり、棘上筋に対応します。
4.肩外兪
正しい。肩甲骨上角の付近にあり、肩甲挙筋の停止部に対応します。
覚えるポイント
- 鍼通電は同一の筋の走行に沿って二点を選ぶ。起始側と停止側を結ぶのが基本。
- 肩甲挙筋=頸椎横突起(起始)から肩甲骨上角(停止)へ。停止側は肩外兪、肩中兪。
- 肩中兪=第7頸椎の高さ、外方2寸。肩外兪=第1胸椎の高さ、外方3寸。
- 肩井は深部に肺尖があり深刺は禁忌。心臓を挟む通電も避ける。