23PM139|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「57歳の女性。閉経は54歳。最近、顔のほてりと発汗が頻発し、耳鳴り、めまい、手足のほてり、腰部の重だるさ、肩こりを随伴し受診した。ホルモン検査で異常が指摘された。舌質は暗紅、舌苔は少なくやや乾燥。脈は細数。小腹不仁が認められた。」患者のホルモン検査で血中濃度が基準値より高いのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
閉経後のホルモン動態を問う問題です。
解説
閉経すると、卵巣の機能が低下してエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が著しく減少します。
エストロゲンは、視床下部と下垂体に対して負のフィードバックをかけて、性腺刺激ホルモンの分泌を抑えています。したがってエストロゲンが減ると、この抑制が外れて、下垂体前葉からのゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン、すなわち卵胞刺激ホルモンFSHと黄体形成ホルモンLH)の分泌が増加します。特にFSHの著明な上昇が、閉経を確認する指標として用いられます。したがってゴナドトロピンが正答です。
エストラジオールは、エストロゲンの中で最も活性の高いものです。閉経後は卵巣からの分泌がほぼなくなるため、血中濃度は低下します。上昇するのではありません。このエストロゲンの低下が、ほてり(ホットフラッシュ)と発汗という血管運動神経症状、そして骨粗鬆症、脂質異常症、膣の萎縮といった変化をもたらします。
**バソプレシン(抗利尿ホルモン)**は、下垂体後葉から分泌され、腎の集合管で水の再吸収を促します。血漿浸透圧の上昇と循環血液量の減少で分泌が増えますが、閉経とは直接関係しません。
プロスタグランジンF2αは、子宮平滑筋を収縮させる作用をもち、月経困難症に関与する物質です。閉経後に上昇するものではありません。
なお、この症例の東洋医学的所見(手足のほてり、腰部の重だるさ、耳鳴り、めまい、舌質暗紅で少苔・乾燥、脈細数、小腹不仁)は、腎陰虚を示しており、次の設問につながります。
選択肢の確認
1.エストラジオール
誤り。卵巣機能の低下により血中濃度は低下します。
2.ゴナドトロピン
正しい。エストロゲンの低下により負のフィードバックが外れ、上昇します。
3.バソプレシン
誤り。水の再吸収を調節するホルモンで、閉経とは直接関係しません。
4.プロスタグランジンF2A
誤り。子宮収縮に関わり、月経困難症に関与します。
覚えるポイント
- 閉経=エストロゲンの低下→負のフィードバックが外れる→FSHとLH(ゴナドトロピン)の上昇。
- 更年期症状=ほてり、発汗(血管運動神経症状)、不眠、いらいら、抑うつ、肩こり、めまい。
- 閉経後の変化=骨粗鬆症、脂質異常症、動脈硬化、膣の萎縮。
- 閉経の確認=FSHの著明な上昇とエストラジオールの低値。