23PM149|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
右腓腹筋の緊張が亢進しているとき、右承山に刺鍼したところ筋緊張が軽減した。関与したと考えられるのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
筋緊張の軽減に関わる反射を問う問題です。
解説
**自原抑制(Ib抑制)**は、筋の緊張が高まったときに、その筋自身の緊張をゆるめる反射です。
機序は次のとおりです。筋と腱の移行部にある腱紡錘(ゴルジ腱器官)は、筋の張力を感知します。張力が高まると腱紡錘が興奮し、Ib線維を介して脊髄へ情報が伝わります。脊髄では抑制性の介在ニューロンを介して、その筋自身を支配するα運動ニューロンが抑制されます。その結果、同じ筋の緊張が低下します。
承山は腓腹筋の筋腹にある経穴であり、そこへの刺鍼が腱紡錘や筋の受容器を刺激して、この自原抑制が働いたと考えられます。したがってこれが正答です。過度の張力から筋と腱を守る安全装置としての意味をもち、痙縮に対するストレッチの効果もこの機序で説明されます。
相反抑制は、ある筋(主動筋)が収縮するときに、その拮抗筋が同時に弛緩する仕組みです。筋紡錘からのIa線維が、抑制性介在ニューロンを介して拮抗筋のα運動ニューロンを抑えます。「同じ筋」ではなく「反対の働きをする筋」が抑制される点が、自原抑制との違いです。
屈曲反射は、皮膚に侵害刺激が加わったときに、その肢の屈筋が収縮して刺激から逃れる反射です。多シナプス反射であり、反対側では伸筋が収縮する交叉性伸展反射を伴います。筋緊張を軽減する反射ではありません。
伸張反射は、筋が急に引き伸ばされたときに、筋紡錘が興奮してIa線維を介し、その筋自身が収縮する反射です。腱反射(膝蓋腱反射など)がその例です。緊張を高める方向であり、軽減とは逆になります。
選択肢の確認
1.相反抑制
誤り。拮抗筋が抑制される仕組みです。
2.屈曲反射
誤り。侵害刺激から逃れるための反射です。
3.自原抑制
正しい。腱紡錘とIb線維を介して同じ筋の緊張が抑制されます。
4.伸張反射
誤り。筋紡錘を介してその筋が収縮する反射です。
覚えるポイント
- 自原抑制(Ib抑制)=腱紡錘(ゴルジ腱器官)→Ib線維→抑制性介在ニューロン→同じ筋の抑制。
- 伸張反射=筋紡錘→Ia線維→同じ筋の収縮(単シナプス反射)。腱反射がその例。
- 相反抑制=主動筋の収縮時に拮抗筋が弛緩する。
- 腱紡錘は張力を、筋紡錘は筋の長さと伸張速度を感知する。