23PM150|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
鍼鎮痛の発現に関与する物質はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
鍼鎮痛に関与する物質を問う問題です。
解説
セロトニンは、下行性疼痛抑制系の重要な神経伝達物質です。
下行性疼痛抑制系は、中脳水道周囲灰白質(PAG)から始まり、延髄の大縫線核を経て脊髄後角に至る経路です。このうち大縫線核から下行する線維がセロトニンを放出し、脊髄後角で痛みの伝達を抑えます。あわせて、青斑核から下行する線維がノルアドレナリンを放出し、同様に抑制的に働きます。これらの経路は内因性オピオイドによって活性化されます。したがって鍼鎮痛の発現に関与する物質としてセロトニンが正答です。
アセチルコリンは、神経筋接合部と自律神経節、副交感神経の節後線維で用いられる神経伝達物質です。骨格筋の収縮や副交感神経の作用を担いますが、鍼鎮痛の主要な物質としては挙げられません。
メラトニンは、松果体から分泌されるホルモンで、暗くなると分泌が増えて睡眠と覚醒の概日リズムを調節します。鎮痛に関与する主要な物質ではありません。
トロポミオシンは、筋の細いフィラメントを構成する蛋白質です。安静時にアクチンのミオシン結合部位を覆っており、カルシウムがトロポニンに結合すると位置がずれて結合部位が露出します。筋収縮の調節に関わる構造蛋白であり、神経伝達物質ではありません。
鍼鎮痛の機序としては、内因性オピオイド(βエンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィン)による下行性抑制系の活性化、ゲートコントロール(脊髄分節性の抑制)、そして**広汎性侵害抑制調節(全身性の抑制)**が挙げられます。
選択肢の確認
1.セロトニン
正しい。下行性疼痛抑制系で痛みの伝達を抑えます。
2.アセチルコリン
誤り。神経筋接合部と副交感神経の伝達物質です。
3.メラトニン
誤り。松果体から分泌され、睡眠と覚醒のリズムを調節します。
4.トロポミオシン
誤り。筋の細いフィラメントを構成する蛋白質です。
覚えるポイント
- 下行性疼痛抑制系=中脳水道周囲灰白質→**大縫線核(セロトニン)**と青斑核(ノルアドレナリン)→脊髄後角。
- 内因性オピオイドがこの経路を活性化する。鍼鎮痛はナロキソンで減弱する。
- 鎮痛機序=ゲートコントロール(分節性)、下行性抑制系、広汎性侵害抑制調節(全身性)。
- メラトニン=松果体、概日リズム。アセチルコリン=神経筋接合部と副交感神経。