23PM155|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
施灸部の化膿を防止する対策として最も適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
施灸部の化膿を防ぐ対策を問う問題です。
解説
施灸によって熱傷が生じると、皮膚のバリアが破られ、そこから細菌が侵入して化膿する危険が生じます。これを防ぐうえで基本となるのが、施灸部の消毒です。施灸の前に消毒することで皮膚表面の細菌を減らし、施灸の後に消毒することで熱傷部の清潔を保ちます。したがってこれが正答です。消毒には**消毒用エタノール(76.9から81.4容量パーセント)**を用い、中心から外側へ一方向に拭きます。あわせて、施術者の手指衛生と清潔な操作も不可欠です。
壮数を重ねる際にずらして施灸するという記述は誤りです。部位をずらすと、熱傷を受ける皮膚の範囲が次々に広がり、損傷面積が大きくなって化膿の危険が高まります。同一点に施灸するほうが、損傷を一点に限局でき、また前の壮の灰が緩衝となって熱感もやわらぎます。
艾炷の底面積を広くするという記述も誤りです。底面積を広げると、熱の及ぶ範囲が広がって熱傷の面積が大きくなります。艾炷は小さくひねるほうが、熱傷を小さく抑えられます。
施灸部に生じた水疱の排液を行うという記述も誤りです。水疱の膜は、細菌の侵入を防ぐ自然のバリアとして働いています。これを破って排液すると、感染の危険がかえって高まります。水疱は破らずに保護し、清潔を保つのが原則です。同様に、痂皮(かさぶた)も掻破してはいけません。
なお、施灸後に発赤の拡大、疼痛の増強、膿の出現がみられた場合は、医療機関の受診を勧めます。
選択肢の確認
1.壮数を重ねる際にずらして施灸する。
誤り。損傷範囲が広がり、化膿の危険が高まります。
2.艾炷の底面積を広くする。
誤り。熱傷の面積が広がります。
3.施灸部に生じた水疱の排液を行う。
誤り。水疱の膜はバリアであり、破ると感染の危険が高まります。
4.施灸部の消毒を行う。
正しい。施灸前後の消毒が化膿防止の基本です。
覚えるポイント
- 化膿防止=施灸前後の消毒、同一点に施灸、艾炷を小さくひねる、水疱と痂皮を破らない。
- 消毒=消毒用エタノール、中心から外側へ一方向に拭く。
- 発赤の拡大、疼痛の増強、膿の出現があれば医療機関の受診を勧める。
- 糖尿病や末梢循環障害では有痕灸を避け、無痕灸を選ぶ。