23PM88|第23回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
重症の筋萎縮性側索硬化症のリハビリテーションとして最も必要なのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
**重症の筋萎縮性側索硬化症(ALS)**に対するリハビリテーションを問う問題です。
解説
ALSは、上位と下位の運動ニューロンがともに変性していく進行性の疾患で、重症化すると四肢の麻痺、構音障害、嚥下障害、呼吸筋麻痺が進みます。
一方で、感覚、眼球運動、膀胱直腸機能は比較的保たれ(陰性四徴)、知的機能も一般に保たれます。したがって、身体は動かせなくても、意思や思考は保たれているという状態になります。
このため、重症のALSに対して最も必要なリハビリテーションは、意思伝達装置によるコミュニケーション訓練です。したがってこれが正答です。文字盤、透明文字盤、スイッチによる操作、そして視線入力装置などを用いて、本人が意思を表明できる手段を確保することは、生活の質と尊厳を守るうえで極めて重要です。進行する前の段階から導入と練習を始めることが望まれます。
低出力レーザーによる温熱療法は、局所の疼痛緩和などに用いられますが、ALSの進行そのものに対応するものではなく、重症例で最も必要なものではありません。
ペグボードによる巧緻動作訓練は、手指の巧緻性を高める訓練ですが、重症のALSでは上肢の筋力が著しく低下しており、実施が困難です。また、過度の運動負荷はかえって筋の疲労を招くため、ALSでは疲労を残さない範囲の運動にとどめることが原則です。
バランスボードによるバランス訓練も、重症例では立位や座位の保持が困難であり、転倒の危険もあるため適しません。
重症例では、このほか関節拘縮の予防、呼吸理学療法、嚥下の評価と栄養管理、そして呼吸管理の方針についての意思決定支援が重要になります。
選択肢の確認
1.低出力レーザーによる温熱療法
誤り。局所の疼痛緩和に用いますが、最も必要なものではありません。
2.ペグボードによる巧緻動作訓練
誤り。重症例では実施が困難で、疲労を招きます。
3.バランスボードによるバランス訓練
誤り。立位保持が困難であり、転倒の危険もあります。
4.意思伝達装置によるコミュニケーション訓練
正しい。知的機能と眼球運動が保たれるため、意思表明の手段の確保が最も重要です。
覚えるポイント
- ALSの陰性四徴=感覚障害、眼球運動障害、膀胱直腸障害、褥瘡が生じにくい。知的機能も保たれる。
- 重症例の最重要課題=コミュニケーション手段の確保(文字盤、スイッチ、視線入力装置)。
- 運動は疲労を残さない範囲にとどめる。過負荷は避ける。
- あわせて関節拘縮の予防、呼吸理学療法、嚥下と栄養の管理、意思決定支援。