24AM35|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
筋収縮においてATPのエネルギーを必要とするのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
筋収縮の各段階のうち、ATPを直接必要とするものを問う問題です。
解説
筋収縮の過程を順に確認し、どこでATPが使われるかを整理します。
横行小管(T管)の電気的興奮は、筋線維の表面に生じた活動電位が内部へ伝わる過程です。これは電位の伝播であり、ATPを直接消費するものではありません(静止膜電位を維持するナトリウムポンプはATPを使いますが、興奮の伝播そのものではありません)。
筋小胞体からのカルシウムイオンの放出は、T管の電位変化を受けてカルシウムチャネルが開き、濃度勾配に従ってカルシウムが受動的に流出する過程です。したがってATPを必要としません。一方、弛緩の際にカルシウムを筋小胞体へ回収する過程は、濃度勾配に逆らう能動輸送であり、ATPを消費します。
トロポニンとカルシウムイオンの結合は、カルシウムが結合部位に結びつくだけの反応であり、ATPを必要としません。
ミオシン頭部の変位(首振り運動)は、ミオシン頭部がもつATP分解酵素の活性によってATPをADPとリン酸に分解し、そのエネルギーで首を振る過程です。これによりアクチンフィラメントが滑り込み、筋節が短縮します。したがってATPを直接必要とするものであり、これが正答です。さらに、首振りの後にミオシン頭部がアクチンから離れる際にも新しいATPの結合が必要です。
このことから、ATPが枯渇するとミオシンがアクチンから離れられなくなり、筋が硬直したままになります。これが死後硬直の機序です。
選択肢の確認
1.横行小管の電気的興奮
誤り。電位の伝播であり、ATPを直接消費しません。
2.筋小胞体からのカルシウムイオンの放出
誤り。濃度勾配に従う受動的な流出です。回収の際にATPを使います。
3.トロポニンとカルシウムイオンの結合
誤り。結合するだけの反応であり、ATPを必要としません。
4.ミオシン頭部の変位
正しい。ATPを分解したエネルギーで首振り運動が起こります。
覚えるポイント
- ATPを使う過程=ミオシン頭部の首振りとアクチンからの解離、カルシウムの筋小胞体への回収、ナトリウムポンプ。
- カルシウムの放出は受動的、回収は能動的(ATP依存)。
- 死後硬直=ATPの枯渇によりミオシンがアクチンから離れられなくなる。
- ATPの再合成=クレアチンリン酸(即時)、解糖系(短時間)、酸化的リン酸化(持続的)。