24AM44|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
癌が最も転移しやすい臓器はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
癌の転移が起こりやすい臓器を問う問題です。
解説
肝臓は、癌の転移が最も起こりやすい臓器の一つです。したがってこれが正答です。
理由は、血液の流入経路にあります。胃、小腸、大腸、膵臓、胆嚢といった消化器の静脈血は、すべて門脈に集まって肝臓へ流れ込みます。したがって、これらの臓器に生じた癌の細胞は、門脈の流れに乗って真っ先に肝臓へ運ばれ、そこに定着して血行性転移を形成します。消化器癌の肝転移が多いのはこのためです。加えて、肝臓は血流が豊富で類洞の構造が特殊であることも、腫瘍細胞が定着しやすい一因とされています。
血行性転移が多い臓器としては、肝臓のほかに肺、骨、脳が挙げられます。肺は、全身の静脈血が心臓を経てすべて通過する臓器であるため、肝臓以外の部位からの転移を受けやすくなります。骨(脊椎、骨盤、大腿骨近位)は、乳癌、肺癌、前立腺癌、腎癌、甲状腺癌の転移先として重要です。
心臓は、血流が極めて豊富であるにもかかわらず、転移がまれな臓器です。心筋が絶えず収縮していること、代謝の環境が腫瘍の定着に適さないことなどが理由と考えられています。
脾臓も、血流が豊富であるのに転移がまれな臓器として知られています。豊富なリンパ球と特殊な血流の構造が関与すると考えられています。
腎臓は、転移を受けることもありますが、肝臓ほど頻度が高い臓器ではありません。
なお、癌の転移経路には、リンパ行性転移(リンパ節へ)、血行性転移(肝、肺、骨、脳へ)、播種性転移(腹膜、胸膜へ)があります。
選択肢の確認
1.心臓
誤り。血流が豊富ですが転移はまれです。
2.脾臓
誤り。こちらも転移がまれな臓器として知られています。
3.肝臓
正しい。門脈を介して消化器癌の転移を受けやすい臓器です。
4.腎臓
誤り。転移を受けることもありますが、肝臓ほどではありません。
覚えるポイント
- 肝臓=門脈を介して消化器癌の転移を受けやすい。血行性転移の代表。
- 血行性転移が多い=肝、肺、骨、脳。心臓と脾臓は転移がまれ。
- 転移経路=リンパ行性、血行性、播種性。
- 骨転移の原発巣=乳癌、肺癌、前立腺癌、腎癌、甲状腺癌。