24AM56|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
悪性貧血について正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
悪性貧血の病態と検査所見を問う問題です。
解説
悪性貧血は、胃の壁細胞から分泌される内因子が自己免疫の機序で不足し、その結果ビタミンB12の吸収が障害されて生じる貧血です。
自己免疫が関与するため、抗内因子抗体や抗胃壁細胞抗体が陽性となります。したがってこの記述が正しく、正答です。抗内因子抗体は特異度が高く、診断上重要な所見です。
伴性劣性遺伝であるという記述は誤りです。悪性貧血は遺伝性疾患ではなく、自己免疫疾患です。中高年に発症し、他の自己免疫疾患(橋本病など)を合併しやすい傾向があります。伴性劣性(X連鎖劣性)遺伝の代表は、血友病、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、赤緑色覚異常です。
正球性貧血を呈するという記述も誤りです。ビタミンB12はDNAの合成に必要であり、不足すると細胞分裂が障害されて赤芽球が大きいまま成熟するため、大球性(平均赤血球容積が高値)の貧血となります。骨髄では巨赤芽球が出現します。
ビタミンB1投与が有効であるという記述も誤りです。有効なのはビタミンB12です。ただし、吸収の経路そのものが障害されているため、経口ではなく筋肉注射による補充が基本となります。なお、ビタミンB1の欠乏で生じるのは脚気(末梢神経障害と心不全)とウェルニッケ脳症です。
悪性貧血では、貧血症状に加えて、ハンター舌炎(舌が赤くつるつるになる萎縮性舌炎)と、亜急性連合性脊髄変性症による深部感覚障害、歩行障害、しびれといった神経症状がみられます。
選択肢の確認
1.伴性劣性遺伝である。
誤り。自己免疫疾患であり、遺伝性ではありません。
2.抗内因子抗体が陽性となる。
正しい。自己免疫の機序を示す特異度の高い所見です。
3.正球性貧血を呈する。
誤り。大球性貧血を呈します。
4.ビタミンB1投与が有効である。
誤り。有効なのはビタミンB12であり、筋肉注射で補充します。
覚えるポイント
- 悪性貧血=自己免疫により内因子が不足し、ビタミンB12の吸収が障害される。大球性貧血。
- 検査=抗内因子抗体、抗胃壁細胞抗体が陽性。骨髄に巨赤芽球。
- 症状=貧血+ハンター舌炎+亜急性連合性脊髄変性症(深部感覚障害)。
- 治療=ビタミンB12の筋肉注射。胃全摘後にも同様の欠乏が生じる。