24AM60|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
前立腺肥大症について正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
前立腺肥大症の症状を問う問題です。
解説
前立腺肥大症は、加齢に伴って前立腺の内腺(移行領域)が肥大し、尿道を圧迫して排尿障害をきたす疾患です。
症状は次の三つの段階で整理されます。排尿症状(尿が出始めるまで時間がかかる、尿線が細い、途中で途切れる、腹圧をかけないと出ない)、蓄尿症状(頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感)、排尿後症状(残尿感、排尿後の滴下)です。
このうち夜間頻尿は、初期から現れて生活の質を大きく損なう代表的な症状です。したがってこれが正答です。膀胱に残尿があるために一回の排尿量が減り、また加齢に伴って夜間の尿量が増えることも重なります。
若年者に多いという記述は誤りです。前立腺肥大症は加齢に伴って増加し、50歳代以降に多く、80歳代では大部分の男性に組織学的な肥大がみられます。
蛋白尿がみられるという記述も誤りです。蛋白尿は糸球体の障害(糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症)を示す所見です。前立腺肥大症は尿の通り道の問題であり、蛋白尿を特徴とするものではありません(長期の閉塞により腎機能が障害されれば別です)。
下腹痛を伴うことが多いという記述も誤りです。前立腺肥大症は通常、痛みを伴いません。ただし、進行して尿閉(まったく尿が出なくなる)に至ると、膀胱が過度に伸展して強い下腹部の張りと痛みを生じ、緊急の導尿が必要になります。
なお、前立腺癌は前立腺の外腺(辺縁領域)に生じることが多く、初期には症状が乏しいため、PSAによる検査と直腸診で早期発見を図ります。骨転移をきたしやすい点も重要です。
選択肢の確認
1.若年者に多い。
誤り。50歳代以降、加齢に伴って増加します。
2.夜間頻尿がみられる。
正しい。蓄尿症状として初期から現れる代表的な症状です。
3.蛋白尿がみられる。
誤り。蛋白尿は糸球体の障害を示す所見です。
4.下腹痛を伴うことが多い。
誤り。通常は痛みを伴いません。尿閉では強い痛みを生じます。
覚えるポイント
- 前立腺肥大症=加齢(50歳代以降)、内腺の肥大。排尿症状、蓄尿症状(夜間頻尿)、排尿後症状。
- 進行すると尿閉(緊急の導尿が必要)、残尿による感染や結石、腎機能障害。
- 前立腺癌=外腺に生じ初期は無症状。PSAと直腸診。骨転移をきたしやすい。
- 抗コリン薬や感冒薬は尿閉を誘発することがある。