24AM65|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
外傷性肩関節脱臼について正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
外傷性肩関節脱臼の特徴と経過を問う問題です。
解説
若年者の初回脱臼は反復性に移行しやすいという記述が正しく、正答です。若年者(特に10歳代から20歳代)では、初回の脱臼で関節唇や関節包が損傷され(バンカート損傷)、それが十分に修復されないまま関節が緩んだ状態になるため、その後に軽い外力でも繰り返し脱臼する反復性肩関節脱臼へ移行する割合が高くなります。年齢が若いほど再脱臼率が高いことが知られています。
高齢者では上腕骨大結節骨折の合併はまれであるという記述は誤りです。高齢者では骨がもろく、また腱板が変性しているため、脱臼に伴って上腕骨大結節の骨折や腱板断裂を合併しやすくなります。したがって高齢者の脱臼では、整復後にこれらの合併損傷の評価が重要です。
後方脱臼が最も多いという記述も誤りです。肩関節の脱臼は**前方脱臼(烏口下脱臼)**が圧倒的に多く、全体のおよそ9割以上を占めます。外転・外旋・伸展が強制されることで生じ、上腕骨頭が前下方へ滑り出します。後方脱臼はまれで、けいれん発作や感電の際に生じることが知られています。
整復後は可及的早期に可動域訓練を開始するという記述も誤りです。整復後は、損傷した関節包と関節唇の修復を促すため、**一定期間の固定(三角巾やバンドによる内旋位固定など)**が必要です。早すぎる可動域訓練は再脱臼の危険を高めます。固定期間の後、段階的に可動域訓練と腱板や肩甲帯の筋力強化へ移行します。
なお、脱臼の合併症として、腋窩神経麻痺(三角筋の麻痺と肩外側の知覚障害)に注意が必要です。
選択肢の確認
1.若年者の初回脱臼は反復性に移行しやすい。
正しい。関節唇と関節包の損傷が残り、再脱臼しやすくなります。
2.高齢者では上腕骨大結節骨折の合併はまれである。
誤り。骨がもろく、大結節骨折や腱板断裂を合併しやすくなります。
3.後方脱臼が最も多い。
誤り。前方脱臼が9割以上を占めます。
4.整復後は可及的早期に可動域訓練を開始する。
誤り。一定期間の固定が必要です。
覚えるポイント
- 肩関節脱臼=前方(烏口下)脱臼が9割以上。外転・外旋・伸展の強制で生じる。
- 若年者は反復性へ移行しやすい(バンカート損傷)。高齢者は大結節骨折と腱板断裂を合併しやすい。
- 整復後は一定期間の固定が必要。早期の可動域訓練は再脱臼の危険。
- 合併症=腋窩神経麻痺(三角筋の麻痺、肩外側の知覚障害)。