24AM71|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
脱水を起こしやすいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
脱水をきたしやすい病態を問う問題です。
解説
**腸閉塞(イレウス)**は、腸管の内容物の通過が妨げられる状態です。脱水をきたしやすい理由は次の二つです。
第一に、頻回の嘔吐によって水分と電解質が体外へ失われます。第二に、閉塞した部位より口側の腸管に大量の消化液が貯留し、それが血管内へ戻らないため、**体内にありながら循環に使えない水分(サードスペースへの移行)**となります。この二つが重なって、急速に循環血液量が減少し、脱水とショックに至ることがあります。したがってこれが正答です。
腸閉塞の症状は、腹痛(疝痛)、嘔吐、腹部膨満、排ガスと排便の停止の四つが基本です。聴診では、機械的閉塞の初期には金属音を伴う腸雑音の亢進が、麻痺性では腸雑音の減弱または消失が聴かれます。腹部エックス線では**鏡面像(ニボー)**がみられます。血流障害を伴う絞扼性腸閉塞は緊急手術の適応であり、持続する強い痛み、腹膜刺激症状、ショックがあれば直ちに医療機関へ搬送します。腹部への施術は行いません。
大腸ポリープは、大腸の粘膜に生じる隆起性の病変で、多くは無症状です。大きくなると出血をきたすことはありますが、脱水を起こす病態ではありません。
胃下垂は、胃が正常より低い位置にある状態で、やせ型の人にみられます。もたれ感や膨満感を訴えることはありますが、脱水の原因にはなりません。
食道憩室は、食道の壁の一部が袋状に突出したもので、多くは無症状です。大きくなるとつかえ感や食物の停滞、逆流をきたすことがありますが、脱水の原因とはなりません。
選択肢の確認
1.腸閉塞
正しい。嘔吐と腸管内への大量の液体貯留により脱水をきたします。
2.大腸ポリープ
誤り。多くは無症状で、脱水の原因にはなりません。
3.胃下垂
誤り。もたれ感などを訴えますが、脱水の原因にはなりません。
4.食道憩室
誤り。多くは無症状で、脱水の原因とはなりません。
覚えるポイント
- 腸閉塞=腹痛、嘔吐、腹部膨満、排ガスと排便の停止。エックス線で鏡面像(ニボー)。
- 脱水の機序=嘔吐による喪失と腸管内への液体貯留(サードスペースへの移行)。
- 絞扼性腸閉塞は緊急手術の適応。腹部への施術は行わず直ちに医療機関へ。
- 脱水をきたす他の病態=激しい下痢、嘔吐、高熱と発汗、糖尿病性ケトアシドーシス、熱中症。