24AM75|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「48歳の女性。2年前、左手のこわばりがみられ、その後、近位指節間関節から始まる左指の関節痛と腫れが生じ、さらに右指の関節も痛みだした。現在では、両側の手・膝関節にも関節炎がみられる。光過敏や嚥下障害はない。」本疾患で陽性となるのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
関節リウマチを推定し、陽性となる検査を選ぶ問題です。
48歳女性、手のこわばり、近位指節間関節から始まった関節痛と腫れ、左右対称性に広がる多発性の関節炎、光過敏と嚥下障害はない、という所見を統合します。
解説
中年女性に生じた、朝のこわばりを伴う、近位指節間関節を含む多発性かつ左右対称性の関節炎という組合せは、関節リウマチを強く示唆します。光過敏がないことは全身性エリテマトーデスを、嚥下障害がないことは全身性硬化症や多発性筋炎を否定する方向に働きます。
関節リウマチで陽性となる代表的な検査がリウマトイド因子です。したがってこれが正答です。リウマトイド因子は、IgGのFc部分に対する自己抗体で、関節リウマチのおよそ7割から8割で陽性となります。ただし、シェーグレン症候群や慢性肝疾患、健常高齢者でも陽性となることがあるため特異度は高くありません。より特異度が高い検査として抗CCP抗体があり、早期診断にも有用です。あわせてCRPと赤沈が炎症の程度を反映します。
LE細胞は、**全身性エリテマトーデス(SLE)**でみられる現象で、抗核抗体によって変性した核を白血球が貪食したものです。この症例では光過敏や蝶形紅斑といったSLEを示す所見がありません。
抗Jo-1抗体は、多発性筋炎・皮膚筋炎でみられる自己抗体で、間質性肺炎の合併と関連します。この症例には近位筋の筋力低下や皮疹の記載がありません。
**抗トポイソメラーゼ I 抗体(抗Scl-70抗体)**は、全身性硬化症(強皮症)、特にびまん型でみられる自己抗体です。この症例にはレイノー現象、皮膚硬化、嚥下障害といった所見がありません。
選択肢の確認
1.リウマトイド因子
正しい。関節リウマチのおよそ7割から8割で陽性となります。
2.LE細胞
誤り。全身性エリテマトーデスでみられます。
3.抗JO-1抗体
誤り。多発性筋炎・皮膚筋炎でみられます。
4.抗トポイソメラーゼI抗体(抗SCL-70抗体)
誤り。全身性硬化症(びまん型)でみられます。
覚えるポイント
- 関節リウマチ=中年女性、朝のこわばり(1時間以上)、多発性・左右対称性、MP関節とPIP関節。
- 検査=リウマトイド因子、より特異的な抗CCP抗体、CRPと赤沈。
- 抗DNA抗体・抗Sm抗体=SLE。抗Jo-1抗体=多発性筋炎。抗Scl-70抗体=全身性硬化症。
- 関節リウマチではDIP関節は侵されにくい。DIP関節はヘバーデン結節(変形性関節症)。