24AM77|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「28歳の女性。上肢の痛み、だるさ、しびれを訴える。上肢下垂時に症状が増悪する。首が長く、姿勢が悪い。モーレイテスト、アドソンテスト陽性。」最も考えられる疾患はどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
胸郭出口症候群を推定する問題です。
28歳女性、上肢の痛み・だるさ・しびれ、上肢下垂時に増悪、首が長く姿勢が悪い、モーレイテストとアドソンテスト陽性という所見を統合します。
解説
モーレイテストは、鎖骨上窩で腕神経叢を指で圧迫し、上肢へ放散痛やしびれが誘発されれば陽性となる検査です。アドソンテストは、患側へ頭部を回旋させて深呼吸させ、橈骨動脈の拍動の減弱や症状の誘発をみる検査で、斜角筋隙での圧迫を示します。この二つがともに陽性であることは、胸郭出口症候群を強く示唆します。したがってこれが正答です。
背景として、なで肩で首が長く、姿勢が悪い若い女性という体型と姿勢の特徴があり、これは胸郭出口症候群(特に牽引型)の典型です。上肢を下げた姿勢や、荷物を持つ、長時間のデスクワークで症状が悪化するのも特徴です。逆に、上肢を挙上する動作で症状が出るものは圧迫型(過外転症候群など)です。
変形性頸椎症は、加齢に伴う椎間板と椎間関節の変性による疾患で、中高年に多く発症します。28歳という年齢と合いません。また、神経根症ではスパーリングテストとジャクソンテストが陽性となります。
頸椎椎間板ヘルニアは、頸部の後屈や側屈で上肢へ放散痛が生じ、スパーリングテストとジャクソンテストが陽性となります。デルマトームに一致する知覚障害と、該当髄節の腱反射の減弱を伴います。モーレイテストとアドソンテストが陽性となる所見とは異なります。
頸椎捻挫は、交通事故などによるむち打ち損傷で、受傷の経緯があることが前提です。頸部痛と運動制限、バレー・リュー症候群(頭痛、めまい、耳鳴り)が特徴です。この症例には外傷の記載がありません。
選択肢の確認
1.変形性頸椎症
誤り。中高年に多く、スパーリングテストなどが陽性となります。
2.頸椎椎間板ヘルニア
誤り。スパーリングテストとジャクソンテストが陽性となります。
3.頸椎捻挫
誤り。むち打ち損傷であり、外傷の経緯が前提です。
4.胸郭出口症候群
正しい。モーレイテストとアドソンテストの陽性に合致します。
覚えるポイント
- 胸郭出口症候群=なで肩の若い女性に多い。上肢の痛み、だるさ、しびれ、脱力。
- 検査=アドソン(斜角筋隙)、エデン(肋鎖間隙)、ライト(小胸筋下)、モーレイ、イートン。
- 牽引型=上肢の下垂や荷物で悪化。圧迫型=上肢の挙上で悪化。
- 頸椎神経根症=スパーリング、ジャクソンが陽性。デルマトームに一致する症状。