24AM78|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「28歳の女性。上肢の痛み、だるさ、しびれを訴える。上肢下垂時に症状が増悪する。首が長く、姿勢が悪い。モーレイテスト、アドソンテスト陽性。」本症例で治療対象となる筋はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
アドソンテスト陽性が示す圧迫部位から、治療対象となる筋を選ぶ問題です。
解説
胸郭出口症候群は、腕神経叢と鎖骨下動静脈が圧迫される部位によって三つに分けられます。
斜角筋隙(前斜角筋と中斜角筋の間)での圧迫=斜角筋症候群。評価はアドソンテスト。
肋鎖間隙(鎖骨と第1肋骨の間)での圧迫=肋鎖症候群。評価はエデンテスト。
小胸筋の下での圧迫=過外転症候群。評価はライトテスト。
この症例ではアドソンテストが陽性であるため、圧迫部位は斜角筋隙であり、治療の対象となる筋は斜角筋(前斜角筋と中斜角筋)です。したがってこれが正答です。斜角筋の緊張をゆるめる目的で、扶突、天鼎、天窓といった前頸部の経穴が用いられます。ただし、この部の深部には腕神経叢と鎖骨下動脈、さらに深くには肺尖があるため、刺鍼の角度と深さに細心の注意が必要です。
あわせて、姿勢の改善(なで肩に対する肩甲帯の挙上筋の強化)、重い荷物を持たない、長時間の下垂姿勢を避けるといった生活指導も重要です。
小胸筋は、**過外転症候群(ライトテスト陽性)**の場合に治療対象となる筋です。この症例ではアドソンテストが陽性であるため、第一の対象ではありません。
胸鎖乳突筋は、前頸部の表層にある筋で、頸部の回旋と側屈に働きます。斜角筋の前方に位置し、取穴の目印にはなりますが、腕神経叢を絞扼する筋ではありません。
肩甲挙筋は、頸椎横突起から肩甲骨上角へ向かう筋で、肩こりの原因にはなりますが、腕神経叢を絞扼する筋ではありません。
選択肢の確認
1.小胸筋
誤り。過外転症候群(ライトテスト陽性)の場合の対象です。
2.斜角筋
正しい。アドソンテスト陽性は斜角筋隙での圧迫を示します。
3.胸鎖乳突筋
誤り。頸部の回旋と側屈に働く筋で、絞扼の原因ではありません。
4.肩甲挙筋
誤り。肩こりの原因にはなりますが、腕神経叢を絞扼しません。
覚えるポイント
- アドソンテスト=斜角筋隙。対象筋は斜角筋。局所穴は扶突、天鼎、天窓。
- エデンテスト=肋鎖間隙(気戸、欠盆)。ライトテスト=小胸筋下(中府、雲門)。
- 前頸部と鎖骨周囲は深部に腕神経叢、鎖骨下動脈、肺尖がある。深刺を避ける。
- 指導=姿勢の改善、重い荷物を避ける、長時間の下垂姿勢を避ける。