24PM100|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す症状に対し、難経六十九難に基づく適切な治療穴はどれか。「食欲がなく、腹部膨満感、下痢があり、手足に無力感がある。」
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
脾虚証を読み取り、難経六十九難の原則で選穴する問題です。
食欲不振、腹部膨満感、下痢、手足の無力感という所見から判断します。
解説
食欲不振と腹部膨満感、下痢は脾の運化の失調を、手足の無力感は脾が四肢と肌肉を主ることから、いずれも脾の不足を示します。したがって**脾虚証(脾気虚)**と判断されます。
六十九難の原則は「虚すればその母を補う」です。脾は五行で土に属し、土を生じる母は火です。したがって、火に配当される穴、すなわち滎火穴を補います。
具体的には、自経である脾経の滎火穴である大都と、母経である心経の滎火穴である少府を補います。
選択肢の部位を経穴名に直します。
手掌、第5中手指節関節の近位端と同じ高さ、第4・第5中手骨間は少府で、手の少陰心経の滎火穴です。したがってこれが正答です。手のひらで、軽く握ったときに小指の先が当たる位置に取ります。
足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部は太渓で、足の少陰腎経の**兪土穴(原穴)**です。
前腕、橈骨下端の橈側で外側に最も突出した部位と橈骨動脈の間、手関節掌側横紋の上方1寸は経渠で、手の太陰肺経の経金穴です。腎虚証で母(金)を補う際に用います。
足内側、第1中足趾節関節の近位陥凹部、赤白肉際は太白で、足の太陰脾経の**兪土穴(原穴)**です。脾経ではありますが、五行では土であり、母である火の穴ではありません(なお、肺虚証で母である土を補う際に用いられます)。
選択肢の確認
1.足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部。
誤り。太渓であり、腎経の兪土穴です。
2.手掌、第5中手指節関節の近位端と同じ高さ、第4・第5中手骨間
正しい。少府であり、心経の滎火穴です。
3.前腕、橈骨下端の橈側で外側に最も突出した部位と橈骨動脈の間、手関節掌側横紋の上方1寸
誤り。経渠であり、肺経の経金穴です。
4.足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際
誤り。太白であり、脾経の兪土穴(原穴)です。
覚えるポイント
- 六十九難=虚すれば母を補い、実すれば子を瀉す。
- 脾虚証=**大都(脾経の滎火穴)と少府(心経の滎火穴)**を補う。
- 肺虚証=太淵と太白(兪土穴)。腎虚証=復溜と経渠(経金穴)。
- 肝虚証=曲泉と陰谷(合水穴)。心虚証=少衝と大敦(井木穴)。