24PM99|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す患者の腹診所見はどれか。「75歳の女性。半年前から膝に力が入らない。姿勢は前かがみで、1回の尿量が少なく、足がむくむ。」
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
腎虚の病証を読み取り、対応する腹診所見を選ぶ問題です。
75歳女性、膝に力が入らない、前かがみの姿勢、尿量が少ない、足がむくむという所見を統合します。
解説
所見を確認します。
高齢であること自体が、腎精の衰えを背景に考える手がかりです。膝に力が入らないことは、腎が骨を主り、腰膝が腎の状態を反映することから、腎虚を示します。前かがみの姿勢も、「腰は腎の府」であり、腎の衰えによって腰を支えられなくなったものとして理解されます。尿量が少なく足がむくむことは、腎の気化作用が低下して水液を排泄できず、水が停滞したものです。
以上をまとめると**腎虚(腎陽虚を含む)**と判断されます。
腎虚を示す代表的な腹診所見が**小腹不仁(臍下不仁)**です。臍から下の下腹部を触れると、力がなく軟弱で、押しても患者が知覚しにくい(反応が鈍い)状態を指します。腎気が下腹部を充実させられないことを表すもので、この症例に最も合致し、正答です。治療では腎兪、命門、関元、気海、太渓、復溜などを用い、灸法を併用して温めます。
胸脇苦満は、季肋部に張りと抵抗、圧痛を認める腹証で、肝・胆の失調、特に肝気鬱結を示します。
虚里の動は、心尖部(左乳頭の下方、心尖拍動の部位)の拍動の状態をみる腹診で、拍動が強く亢進していれば宗気の外泄や心の異常を、微弱であれば宗気の不足を示すとされます。
小腹急結は、左下腹部に索状の抵抗と圧痛を認める腹証で、瘀血を示します。小腹「不仁」との区別が重要で、**不仁は虚(腎虚)、急結は実(瘀血)**と整理します。
選択肢の確認
1.胸脇苦満
誤り。肝・胆の失調を示す腹証です。
2.虚里の動
誤り。心尖部の拍動をみるもので、宗気と心の状態を反映します。
3.少(小)腹急結
誤り。瘀血を示す腹証です。
4.小腹不仁
正しい。下腹部の軟弱と知覚の鈍さで、腎虚を示します。
覚えるポイント
- 小腹不仁(臍下不仁)=腎虚。下腹部が軟弱で力がなく、知覚も鈍い。
- 小腹急結=瘀血(左下腹部の索状の抵抗と圧痛)。不仁は虚、急結は実。
- 胸脇苦満=肝・胆、心下痞硬=心・心包、虚里の動=宗気と心。
- 腎=骨を主り、耳と二陰に開竅、その華は髪、腰は腎の府、水を主る。