24PM123|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「74歳の男性。農業に従事。主訴は頻尿と会陰部の不快感。10年前から尿が出始めるまでに時間がかかるようになった。就寝後、排尿のため2回は覚醒する。PSA値は正常範囲内である。会陰部の不快感が増強している。血尿、尿混濁は認めず、排尿痛はない。」本症例の疾患で最も適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
高齢男性の排尿障害から疾患を推定する問題です。
74歳男性、頻尿と会陰部の不快感、10年前からの排尿開始の遅れ、夜間2回の排尿、PSAは正常、血尿と尿混濁なし、排尿痛なしという所見を統合します。
解説
排尿開始まで時間がかかる(遷延性排尿)という排尿症状と、夜間頻尿という蓄尿症状が、10年という長い経過で緩やかに進行しています。これは前立腺肥大症の典型的な経過です。したがってこれが正答です。
前立腺肥大症の症状は、排尿症状(排尿開始の遅れ、尿線が細い、途切れる、腹圧を要する)、蓄尿症状(頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感)、排尿後症状(残尿感、排尿後の滴下)に整理されます。PSAが正常範囲内であることは、前立腺癌を否定する方向に働き、この診断を支持します。
膀胱炎では、排尿痛、頻尿、尿混濁、残尿感が急性に現れます。この症例では排尿痛がなく、尿混濁も認めないうえ、経過が10年と長いため合いません。
膀胱結石では、血尿、排尿時の痛み、尿線の突然の途絶(結石が尿道口を塞ぐ)が特徴です。血尿を認めない点で合いません。
前立腺癌の進行期では、PSAが著明に高値となるのが通常です。この症例ではPSAが正常範囲内であるため、進行期の前立腺癌は考えにくくなります。なお、前立腺癌は前立腺の**外腺(辺縁領域)**に生じるため初期には排尿症状が乏しく、骨転移による腰痛や骨痛で発見されることもあります。
会陰部の不快感については、前立腺の肥大による圧迫や、慢性前立腺炎の合併としても説明されます。
選択肢の確認
1.膀胱炎
誤り。排尿痛と尿混濁があり、急性の経過をとります。
2.膀胱結石
誤り。血尿と尿線の突然の途絶が特徴です。
3.前立腺肥大症
正しい。緩やかに進行する排尿症状と夜間頻尿、PSA正常に合致します。
4.前立腺癌の進行期
誤り。PSAが著明に高値となるのが通常です。
覚えるポイント
- 前立腺肥大症=加齢、排尿症状(開始の遅れ、細い尿線)、蓄尿症状(夜間頻尿)、排尿後症状。
- PSA=前立腺癌のマーカー。正常範囲内であれば癌は考えにくい。
- 膀胱炎=排尿痛、頻尿、尿混濁、残尿感。急性の経過。女性に多い。
- 前立腺肥大症の進行=尿閉(緊急導尿)、残尿による感染と結石、腎機能障害。