24PM124|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「74歳の男性。農業に従事。主訴は頻尿と会陰部の不快感。10年前から尿が出始めるまでに時間がかかるようになった。就寝後、排尿のため2回は覚醒する。PSA値は正常範囲内である。会陰部の不快感が増強している。血尿、尿混濁は認めず、排尿痛はない。」会陰部の症状緩和を目的に陰部神経への鍼施術を行う場合、刺鍼部位の目安となる体表点で最も適切なのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
陰部神経への刺鍼における体表の目安を問う問題です。
解説
陰部神経は、仙骨神経叢(S2からS4)から起こり、大坐骨孔(梨状筋下孔)を通って骨盤外へ出た後、坐骨棘の後方を回って小坐骨孔から再び骨盤内へ入り、**陰部神経管(アルコック管)**を通って会陰部と外陰部に分布します。外肛門括約筋と外尿道括約筋、会陰の筋を支配し、会陰部と外陰部の知覚も担います。
この神経に対する刺鍼では、坐骨棘の付近を目標とします。その体表の目安として用いられるのが、上後腸骨棘と坐骨結節の下端内側を結ぶ線の中点です。したがってこれが正答です。この付近から刺入し、坐骨棘に向けて進めることで陰部神経に近づけます。ただし、深部には血管と神経が密に走行するため、解剖を十分に理解したうえで慎重に行う必要があります。
大転子と上後腸骨棘を結ぶ線の中点から直角下方3センチメートルの点は、上殿神経や殿部の筋への刺鍼を意識した位置にあたりますが、陰部神経の目安としては用いられません。
大転子と坐骨結節を結ぶ線上の内側3分の1の点は、坐骨神経の走行に近い部位であり、陰部神経の目安ではありません。坐骨神経は梨状筋下孔を出た後、坐骨結節と大転子の間を下行します。
大転子と仙尾関節を結ぶ線上の外側3分の1の点は、環跳の取穴に近い位置(大転子頂点と仙骨裂孔を結ぶ線の外側3分の1)であり、坐骨神経と梨状筋への刺鍼で用いられる部位です。陰部神経の目安ではありません。
なお、次髎をはじめとする八髎穴は、後仙骨孔から出る仙骨神経後枝に対応し、骨盤内臓の症状に広く用いられます。
選択肢の確認
1.上後腸骨棘と坐骨結節下端内側を結ぶ線上の中点
正しい。坐骨棘の付近にあたり、陰部神経の目安となります。
2.大転子と上後腸骨棘を結ぶ線の中点から直角下方3cmの点
誤り。殿部の筋や上殿神経を意識した位置です。
3.大転子と坐骨結節を結ぶ線上の内側3分の1の点
誤り。坐骨神経の走行に近い部位です。
4.大転子と仙尾関節を結ぶ線上の外側3分の1の点
誤り。環跳に近く、坐骨神経と梨状筋への刺鍼で用いられます。
覚えるポイント
- 陰部神経(S2からS4)=小坐骨孔からアルコック管を通り、会陰部と外陰部へ。
- 体表の目安=上後腸骨棘と坐骨結節下端内側を結ぶ線の中点(坐骨棘の付近)。
- 環跳=大転子頂点と仙骨裂孔を結ぶ線の外側3分の1。深部に坐骨神経と梨状筋。
- 八髎穴=後仙骨孔。骨盤内臓の症状(排尿、排便、月経)に広く用いる。