24PM132|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「36歳の男性。1か月前に右足の内がえし捻挫を起こした。現在、腫脹は取れたが、前距腓靭帯部の熱感と動作時の疼痛が残っている。下腿外側部の自発痛を伴う。ストレスが増すと痛みは強くなり口苦を自覚する。舌質は紅、舌辺の舌苔は剥落。脈は滑。」循経取穴で瀉法を行う経穴はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
循経取穴の考え方に基づいて、病んでいる経脈上の経穴を選ぶ問題です。
解説
循経取穴は、症状の現れている部位を通る経脈、あるいは病んでいる臓腑に属する経脈の上から経穴を選ぶ方法です。
この症例の所見を整理します。前距腓靱帯部(足関節の外側前方)の熱感と疼痛、下腿外側部の自発痛は、いずれも足の少陽胆経の流注に一致します。胆経は下腿の外側を下行し、外果の前方(丘墟)を通って足の第4趾へ至ります。
さらに、ストレスが増すと痛みが強くなること、口苦を自覚すること、舌辺(舌の縁)の舌苔が剥落していること、舌質が紅く脈が滑であることは、いずれも肝胆の失調と熱を示す所見です。口苦は胆の熱を示す特徴的な症状であり、舌辺は肝胆に対応する部位です。
したがって、病んでいるのは胆経であり、そこに熱がある状態と判断されます。熱を瀉すために、胆経上の経穴で瀉法を行います。
侠渓は足の少陽胆経の滎水穴で、足背、第4・第5趾間、みずかきの近位、赤白肉際に取ります。**滎穴は「身熱を主る」**とされ、経脈上の熱を瀉すのに適した穴です。したがってこれが正答です。
内庭は足の陽明胃経の滎水穴で、胃経の熱(歯痛、口臭、胃熱)を瀉すのに用います。この症例の経脈とは異なります。
行間は足の厥陰肝経の滎火穴で、肝火を瀉すのに用いられます。肝胆の失調という点では関連しますが、症状が現れている部位を通るのは胆経であるため、循経取穴としては侠渓が適します。
然谷は足の少陰腎経の滎火穴で、腎経の熱に用います。この症例の症状の部位とは対応しません。
選択肢の確認
1.内庭
誤り。胃経の滎水穴であり、胃熱に用います。
2.侠渓
正しい。胆経の滎水穴であり、経脈上の熱を瀉すのに適します。
3.行間
誤り。肝経の滎火穴であり、肝火に用います。
4.然谷
誤り。腎経の滎火穴です。
覚えるポイント
- 循経取穴=症状の現れている部位を通る経脈、または病んだ臓腑の経脈から選穴する。
- 侠渓=胆経の滎水穴。滎穴は身熱を主る(難経六十八難)。熱を瀉すのに適する。
- 胆経の流注=外眼角から側頭部、体側、下腿外側、外果の前方、第4趾へ。
- 口苦=胆の熱を示す特徴的な症状。舌辺は肝胆に対応する。