24PM136|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「63歳の男性。手のふるえ、歩行困難、歯車様の筋強剛がみられる。」本患者の臓腑病証に基づいて九刺による鍼治療を行う場合の組合せで適切なのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
臓腑病証を判断し、背部兪穴と原穴を組み合わせる問題です。
解説
パーキンソン病の症状であるふるえ(振戦)と筋強剛(筋のこわばり)は、東洋医学では肝の失調として理解されます。
理由は次のとおりです。肝は筋を主るため、筋のこわばりやひきつり、震えは肝の病証として現れます。また、肝風内動(肝の失調によって内風が生じる状態)では、震え、けいれん、めまい、歩行の不安定が生じるとされ、この症例の症状によく合致します。背景には、加齢に伴う肝腎の陰血の不足があると考えられます。
したがって治療の対象は肝であり、肝の背部兪穴である肝兪と、肝経の原穴である太衝を組み合わせます。これが正答です。肝兪は第9胸椎棘突起下縁の高さ、後正中線の外方1寸5分に、太衝は足背の第1・第2中足骨間に取ります。あわせて、陽陵泉(筋会)、風池、三陰交、太渓、腎兪なども用いられます。
なお、背部兪穴と原穴を組み合わせる方法は兪原配穴と呼ばれ、臓腑の慢性的な虚実を整えるのに適した配穴法です。
肺兪-太淵は、肺の病証(咳、喘、息切れ、易感冒)に用いる組合せです。
脾兪-太白は、脾の病証(食欲不振、腹満、下痢、倦怠感、四肢の無力)に用いる組合せです。
心兪-神門は、心の病証(動悸、不眠、健忘、精神の不安定)に用いる組合せです。
いずれも配穴の形としては正しいものの、この症例の病証は肝であるため、肝兪と太衝の組合せが適切となります。
選択肢の確認
1.肺兪-太淵
誤り。肺の病証に用いる組合せです。
2.肝兪-太衝
正しい。筋のこわばりと震えは肝の病証にあたります。
3.脾兪-太白
誤り。脾の病証に用いる組合せです。
4.心兪-神門
誤り。心の病証に用いる組合せです。
覚えるポイント
- 肝は筋を主る。震え、こわばり、けいれん=肝の病証、肝風内動。
- 兪原配穴=背部兪穴+原穴。臓腑の慢性的な虚実に用いる。
- 五臓の原穴=肺は太淵、心は神門、脾は太白、肝は太衝、腎は太渓、心包は大陵。
- 筋の症状には**陽陵泉(筋会)**もあわせて用いる。