24PM138|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「42歳の男性。腹痛、腹部膨満感、食欲不振、軟便が2か月続いている。近医の診察で機能性胃腸症と言われた。ストレスが多い仕事に就いている。強いストレスがかかると症状が増悪する。舌苔は白膩。脈は弦。」本患者の腹痛の性質はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
気滞による痛みの性質を問う問題です。
解説
前問と同じ症例で、肝脾不和(肝気犯脾)、すなわち気滞を主体とする病証と判断されています。
気滞による痛みの性質が脹痛です。張ったような、膨れて苦しいような痛みで、次の特徴をもちます。部位が移動しやすい(一定しない)、情志の変動によって強さが変わる(いらいらすると強まり、気分が晴れると軽くなる)、そしてげっぷや放屁によって軽減することです。したがってこれが正答です。この症例でも、腹部膨満感を伴い、ストレスで増悪するという記述が脹痛の特徴に合致します。
隠痛は、しくしくと続く軽い痛みで、我慢できる程度ですが長く続きます。虚証(気虚、血虚、陽虚)を示し、**押さえると楽になる(喜按)**ことが多い痛みです。この症例は気の滞りという実の要素が中心であるため、隠痛とは異なります。
刺痛は、針で刺されるような鋭く限局した痛みで、部位が固定して移動せず、夜間に強まるのが特徴です。血瘀を示す代表的な痛みで、舌質紫暗、舌下静脈の怒張、濇脈を伴います。この症例の所見とは合いません。
酸痛は、だるく重い痛みで、力が抜けるような感覚を伴います。腰や膝、四肢に多くみられ、気血の不足、腎虚、湿邪によって生じます。この症例の腹部の症状とは異なります。
痛みの性質から病態を推測することは弁証の基本です。あわせて、喜按は虚証、拒按は実証、温めて楽になるのは寒証、冷やして楽になるのは熱証という原則も押さえておきます。
選択肢の確認
1.隠痛
誤り。虚証を示す、しくしくと続く軽い痛みです。
2.脹痛
正しい。気滞を示し、情志で変動し、げっぷや放屁で軽減します。
3.刺痛
誤り。血瘀を示す、固定した鋭い痛みです。
4.酸痛
誤り。気血不足や腎虚、湿邪によるだるい痛みです。
覚えるポイント
- 脹痛=気滞。張った痛み、部位が移動、情志で変動、げっぷや放屁で軽減。
- 刺痛=血瘀(固定、夜間増悪)。隠痛=虚証(喜按)。酸痛=気血不足、腎虚、湿。
- 重痛=湿、灼痛=熱、冷痛=寒(温めると軽減)、絞痛=有形の実邪。
- 喜按は虚、拒按は実。