24PM139|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「28歳の女性。第一子を出産したが、乳房の張り感はなく、母乳の出が悪い。産後の疲労感はある。なお、出産時には出血量が多かった。顔色はくすんだ黄色、舌質は淡白、脈は虚細。」本症例で最も考えられる病証はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
産後の気血両虚を読み取る問題です。
28歳女性、出産後、乳房の張り感がなく母乳の出が悪い、産後の疲労感、出産時の出血量が多かった、顔色はくすんだ黄色、舌質は淡白、脈は虚細という所見を統合します。
解説
所見を確認します。
出産時の出血量が多かったことは、血を大きく失ったことを直接示します。顔色がくすんだ黄色であること、舌質が淡白であること、脈が細いことは、いずれも血虚を示す典型的な所見です。
産後の疲労感があること、**脈が虚(力がない)**であることは、気虚を示します。分娩そのものが気を大きく消耗させるためです。
以上をまとめると気血両虚と判断されます。したがってこれが正答です。
乳汁は血が変化してつくられるとされる(乳汁は血の化するところ)ため、気血が不足すると乳汁を生成できず、乳房の張り感がなく、出も悪いという状態になります。押しても出にくく、乳汁が薄いのが特徴です。治療では補気養血を図り、膻中、乳根、少沢、足三里、三陰交、脾兪、胃兪、気海などを用います。あわせて栄養と休養、そして授乳の頻度を保つことを助言します。
なお、乳汁の分泌不足には、この気血両虚による虚証のほかに、ストレスによって肝気が滞る肝気鬱結による実証があります。実証では、乳房が張って痛むのに出が悪く、いらいらや胸脇の張り、弦脈を伴うという点で区別されます。
陽虚は、気虚の症状に加えて明らかな冷えを伴うものです。この症例には冷えの記載がありません。
痰飲は、水液が停滞したもので、めまい、悪心、胸苦しさ、膩苔、滑脈が特徴です。淡白舌と虚細脈とは合いません。
血瘀は、刺痛、舌質紫暗、舌下静脈の怒張、濇脈が特徴です。この症例の所見とは異なります。
選択肢の確認
1.陽虚
誤り。明らかな冷えの症状を伴います。
2.痰飲
誤り。膩苔と滑脈が特徴です。
3.血瘀
誤り。刺痛と濇脈が特徴です。
4.気血両虚
正しい。産後の出血と疲労、淡白舌、虚細脈に合致します。
覚えるポイント
- 気血両虚=倦怠感、息切れ、顔色不良、めまい、動悸、淡白舌、虚細脈。
- 乳汁は血の化するところ。気血の不足で乳汁が生成されず、張らずに出が悪い。
- 肝気鬱結による乳汁不足=乳房が張って痛むのに出ない。いらいら、弦脈。
- 治療=補気養血(膻中、乳根、少沢、足三里、三陰交、脾兪、気海)。