24PM140|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「28歳の女性。第一子を出産したが、乳房の張り感はなく、母乳の出が悪い。産後の疲労感はある。なお、出産時には出血量が多かった。顔色はくすんだ黄色、舌質は淡白、脈は虚細。」本症例の乳汁分泌を促すために頻用されている経穴はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
乳汁分泌の促進に頻用される経穴を問う問題です。
解説
膻中は任脈の経穴で、前胸部、第4肋間と同じ高さ、前正中線上(両乳頭を結ぶ線の中点)に取ります。
膻中は次の三つの性質をあわせもち、乳汁分泌の促進に頻用されます。第一に、両乳房の中間という位置にあり、乳房の局所治療穴として直接働きかけられること。第二に、八会穴の気会であり、宗気が集まる部位として気を巡らせ、また補う働きをもつこと。第三に、心包の募穴であり、胸中の気の滞りを解く働きをもつことです。したがってこれが正答です。気血両虚による乳汁不足にも、肝気鬱結による乳汁不足にも用いられます。
あわせて、少沢(手の太陽小腸経の井金穴、小指外側の爪甲角)が乳汁分泌の要穴として古くから頻用され、乳根、天渓、足三里、三陰交、脾兪、太衝(気滞の場合)なども併用されます。
地機は足の太陰脾経の郄穴で、下腿内側、脛骨内縁の後際、陰陵泉の下方3寸に取ります。急性の症状に用いる郄穴であり、月経痛などに有効ですが、乳汁分泌の要穴ではありません。
至陰は足の太陽膀胱経の井金穴で、足の第5趾外側、爪甲角の近位外方1分に取ります。逆子の灸に用いる経穴として知られていますが、乳汁分泌の要穴ではありません。
関衝は手の少陽三焦経の井金穴で、薬指の尺側、爪甲角の近位外方1分に取ります。井穴として急性症や意識障害に用いられますが、乳汁分泌の要穴ではありません。
なお、乳房への施術にあたっては、患者の羞恥心と心理的な負担に十分な配慮を払い、必要性を説明して同意を得ることが不可欠です。
選択肢の確認
1.地機
誤り。脾経の郄穴で、急性の症状に用います。
2.至陰
誤り。膀胱経の井金穴で、逆子の灸に用います。
3.膻中
正しい。両乳房の中間にあり、気会かつ心包の募穴です。
4.関衝
誤り。三焦経の井金穴です。
覚えるポイント
- 膻中=任脈、第4肋間の前正中線上、気会かつ心包の募穴。乳汁分泌に頻用。
- あわせて少沢(小腸経の井穴)が乳汁分泌の要穴として知られる。乳根、足三里、三陰交も併用。
- 至陰=膀胱経の井金穴、逆子の灸。
- 乳房への施術は、羞恥心への配慮と説明、同意が不可欠。