24PM146|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
刺鍼局所に起こる神経原性炎症について正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
神経原性炎症の機序を問う問題です。
解説
神経原性炎症は、感覚神経の終末から放出される神経ペプチドによって引き起こされる炎症反応です。
刺鍼によって侵害受容線維(主にC線維)が興奮すると、軸索反射によって神経終末からCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)とサブスタンスPが放出されます。CGRPは強力な血管拡張を、サブスタンスPは肥満細胞の脱顆粒と血管透過性の亢進をもたらします。
その結果、血管の壁を越えて血漿成分(血漿蛋白を含む)が組織へ漏出し、局所に腫れ(膨疹)が生じます。したがって「血漿蛋白が漏出する」が正しく、正答です。
ノルアドレナリンが関与するという記述は誤りです。ノルアドレナリンは交感神経の節後線維から放出され、血管を収縮させる物質です。神経原性炎症で関与するのはCGRPとサブスタンスPであり、これらは血管を拡張させます。
単シナプス反射によって起こるという記述も誤りです。軸索反射は中枢を介さず、感覚神経の軸索の分岐部で興奮が逆行性に伝わることで完結します。シナプスを介する反射弓を構成しないため、単シナプス反射(伸張反射などが該当)とは根本的に異なります。
皮膚のみで起こるという記述も誤りです。神経原性炎症は皮膚に限らず、筋、関節、内臓、気道など、侵害受容線維が分布する組織で広く起こります。気道における神経原性炎症は気管支喘息の病態にも関与すると考えられています。
なお、皮膚に強い刺激を加えたときにみられる三重反応は、発赤(局所の細動脈拡張)、フレア(軸索反射による周囲の拡張、CGRP)、膨疹(血管透過性の亢進による血漿の漏出)の三段階からなります。
選択肢の確認
1.ノルアドレナリンが関与する。
誤り。関与するのはCGRPとサブスタンスPです。
2.単シナプス反射によって起こる。
誤り。軸索反射は中枢を介さず、反射弓を構成しません。
3.血漿蛋白が漏出する。
正しい。血管透過性の亢進により血漿成分が組織へ漏れ出します。
4.皮膚のみで起こる。
誤り。筋、関節、内臓、気道でも起こります。
覚えるポイント
- 神経原性炎症=感覚神経終末からのCGRPとサブスタンスPによる炎症。軸索反射が起点。
- 軸索反射は中枢を介さない。反射弓を構成しない点が通常の反射との違い。
- 三重反応=発赤→フレア(軸索反射、CGRP)→膨疹(透過性亢進、血漿の漏出)。
- 皮膚だけでなく筋、関節、内臓、気道でも起こる。