24PM155|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
WHOの「鍼の基礎教育と安全性に関するガイドライン(1999年)」において灸治療の禁忌はどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
灸治療の禁忌を問う問題です。
解説
高熱がある状態は、灸治療の禁忌とされています。したがってこれが正答です。
理由は次のとおりです。灸は温熱刺激を与えるものであるため、すでに体温が高い状態にさらに熱を加えることは、体温の調節をさらに乱す方向に働きます。加えて、高熱がある場合は急性の感染症など、原因を明らかにして適切な治療を受けるべき病態が背景にあることが多く、まずは医療機関での評価が優先されます。全身状態が不良な状態での施術は、体力を消耗させる危険もあります。
灸の禁忌または慎重な判断を要する状態としては、ほかに急性の炎症、化膿している部位、開放創、悪性腫瘍の患部、重篤な心疾患や呼吸不全、意識障害、極度の疲労と空腹、飲酒後、知覚障害のある部位、血行障害のある部位、糖尿病や副腎皮質ステロイド薬の長期使用による易感染状態が挙げられます。また部位としては、顔面部、粘膜、眼球周囲、外陰部への有痕灸を避けます。
低血圧は、灸治療の禁忌ではありません。ただし、施術による血管迷走神経反射(脳貧血)が起こりやすい可能性があるため、臥位で施術し、刺激量を控えめにするといった配慮が必要です。
便秘は、むしろ灸治療の適応となる症状です。天枢、大腸兪、支溝、足三里、中脘などを用いて腸の働きを整えます。
月経痛(機能性月経困難症)も、灸治療の適応となる症状です。三陰交、次髎、関元、中極、血海などを用います。冷えを伴う場合は特に灸法が有効です。ただし、器質的疾患が背景にある場合は医療機関での評価が優先されます。
選択肢の確認
1.低血圧
誤り。禁忌ではありませんが、脳貧血への配慮が必要です。
2.高熱
正しい。温熱を加えることが不適切であり、原因の評価が優先されます。
3.便秘
誤り。灸治療の適応となる症状です。
4.月経痛
誤り。機能性のものは灸治療の適応です。
覚えるポイント
- 灸の禁忌=高熱、急性炎症、化膿部位、開放創、悪性腫瘍の患部、重篤な全身状態、意識障害。
- 慎重を要する=知覚障害、血行障害、糖尿病、ステロイド薬の長期使用、極度の疲労と空腹。
- 有痕灸を避ける部位=顔面部、粘膜、眼球周囲、外陰部。
- 適応=冷え、便秘、下痢、月経痛、肩こり、腰痛、慢性の疲労。