24PM156|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
免疫機能低下の患者に適した灸はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
免疫機能が低下した患者に適した灸法を選ぶ問題です。
解説
免疫機能が低下している患者では、わずかな皮膚の損傷からも感染が生じやすく、しかも重症化しやすいという危険があります。したがって、皮膚に熱傷や創をつくらない無痕灸を選ぶことが原則です。
隔物灸は、皮膚と艾炷の間に生姜、塩、味噌、にんにくなどの物をはさんで燃やす灸法で、皮膚に直接熱傷をつくらない無痕灸です。伝導熱によって穏やかに温めるため、免疫機能が低下した患者にも比較的安全に用いられます。したがってこれが正答です。あわせて、棒灸、温筒灸、知熱灸といった無痕灸も適します。
紅灸は、紅などの薬物を皮膚に塗って刺激を与える方法です。艾を用いない代用灸であり、皮膚への刺激が加わるため、免疫機能が低下した患者に第一に選ぶ方法ではありません。
打膿灸は、大きな艾炷で施灸した後に膏薬を貼って意図的に化膿を促す灸法です。免疫機能が低下している患者では、この化膿が制御できずに重篤な感染に至る危険があるため、絶対に避けるべき方法です。
焦灼灸は、患部に強い熱を加えて組織を焼き切る灸法で、いぼや鶏眼に用いられました。深い熱傷をつくるため、免疫機能が低下した患者には適しません。
なお、免疫機能が低下する背景としては、悪性腫瘍の化学療法中、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の使用、HIV感染、糖尿病、低栄養、高齢、脾臓摘出後などがあります。こうした患者では、灸だけでなく刺鍼についても、清潔操作の徹底と刺激量の抑制、そして施術後の皮膚の観察が特に重要になります。
選択肢の確認
1.紅灸
誤り。薬物による刺激であり、第一に選ぶ方法ではありません。
2.打膿灸
誤り。化膿を促す灸法であり、絶対に避けるべきです。
3.焦灼灸
誤り。組織を焼き切る灸法で、深い熱傷をつくります。
4.隔物灸
正しい。皮膚に熱傷をつくらない無痕灸であり、比較的安全です。
覚えるポイント
- 免疫機能低下=**無痕灸(隔物灸、棒灸、温筒灸、知熱灸)**を選ぶ。有痕灸は避ける。
- 打膿灸と焦灼灸は皮膚に深い損傷をつくるため、特に危険。
- 免疫低下の背景=化学療法、ステロイド薬と免疫抑制薬、HIV感染、糖尿病、低栄養、高齢。
- 清潔操作の徹底、刺激量の抑制、施術後の皮膚の観察が重要。