24PM158|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
ラットの背部への施灸において同一脊髄レベルでの神経損傷により軸索反射が消失するのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
軸索反射が成立するための条件を、神経の切断部位から考える問題です。
解説
軸索反射は、感覚神経(主にC線維)の終末が興奮したとき、その興奮が軸索の分岐部から逆行性に隣の枝へ伝わり、その終末からCGRPとサブスタンスPが放出されて血管が拡張する現象です。
重要なのは、この反射が中枢(脊髄)を介さず、末梢の感覚神経の軸索内だけで完結するという点です。したがって、軸索そのものが機能していれば反射は起こり、脊髄側の構造を切断しても反射は残ります。
軸索反射が消失するのは、感覚神経の細胞体(脊髄神経節)より末梢側で軸索が切断され、末梢の軸索が変性した場合です。神経細胞は細胞体から栄養を受けているため、細胞体から切り離された軸索はワーラー変性を起こして機能を失います。したがって「脊髄神経を脊髄神経節の末梢側で切断」した場合に軸索反射が消失し、これが正答です。
脊髄神経前根を切断した場合、失われるのは運動神経の線維と交感神経の節前線維です。感覚神経は後根を通るため、前根を切断しても感覚神経の軸索は保たれ、軸索反射は残ります。
交感神経を灰白交通枝で切断した場合、失われるのは交感神経の節後線維です。軸索反射は感覚神経によるものであるため、交感神経を切断しても反射は残ります。この点は、軸索反射が交感神経を介するものではないことを示す重要な区別です。
脊髄後角を破壊した場合、失われるのは中枢への痛みの伝達です。しかし軸索反射は中枢を介さないため、末梢の軸索が保たれていれば反射は残ります。
すなわち、この設問は「軸索反射は中枢を介さず、感覚神経の末梢の軸索で完結する」という原理を、実験的な条件から確認するものです。
選択肢の確認
1.脊髄神経を脊髄神経節の末梢側で切断
正しい。末梢の軸索が変性し、軸索反射が消失します。
2.脊髄神経前根を切断
誤り。運動神経と交感神経節前線維が失われますが、反射は残ります。
3.交感神経を灰白交通枝で切断
誤り。軸索反射は感覚神経によるもので、交感神経を介しません。
4.脊髄後角を破壊
誤り。軸索反射は中枢を介さないため、反射は残ります。
覚えるポイント
- 軸索反射=中枢を介さず、感覚神経の末梢の軸索で完結する。CGRPとサブスタンスPを放出。
- **脊髄神経節(後根神経節)**に感覚神経の細胞体がある。その末梢側で切断すると軸索が変性する。
- 前根=運動神経と交感神経節前線維。後根=感覚神経。
- 軸索反射は交感神経を介さない。フレアの形成と局所の血流改善の機序。