24PM83|第24回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
脳卒中の肩手症候群に対するリハビリテーションで正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
肩手症候群への対応を問う問題です。
解説
肩手症候群は、脳卒中の片麻痺側に生じる**複合性局所疼痛症候群(反射性交感神経性ジストロフィー)**の一型です。肩と手に強い痛み、手の腫脹と発赤、皮膚温の変化、発汗の異常、可動域の制限が生じ、進行すると手が硬く拘縮して機能が失われます。交感神経の過剰な活動が関与すると考えられています。
星状神経節ブロックは、頸部にある星状神経節(下頸神経節と第1胸神経節が融合したもの)に局所麻酔薬を注入して、上肢と頭頸部の交感神経の活動を遮断する治療です。これにより血管が拡張して血流が改善し、痛みの悪循環が断たれるため、肩手症候群に有効とされています。したがってこれが正答です。
温熱療法は禁忌であるという記述は誤りです。温熱療法は血流を改善し、疼痛の緩和と筋の緊張の軽減に有用であり、肩手症候群に対して用いられます。禁忌ではありません(急性の炎症期には慎重な判断が必要です)。
頸椎牽引が有効であるという記述も誤りです。頸椎牽引は、頸椎症性神経根症など、頸椎に起因する症状に対して用いる治療です。肩手症候群は脳卒中後の交感神経の関与による病態であり、頸椎牽引の適応ではありません。
関節可動域訓練は禁忌であるという記述も誤りです。むしろ関節拘縮の予防のために可動域訓練は不可欠です。ただし、痛みを増強させるような強い操作は症状を悪化させるため、痛みの範囲内で愛護的に行うことが原則です。
予防としては、麻痺側の上肢を引っ張らない、肩関節の亜脱臼を支持具で保護する、早期から愛護的な可動域訓練を行う、良肢位を保つといった配慮が重要です。
選択肢の確認
1.温熱療法は禁忌である。
誤り。血流の改善と疼痛の緩和に有用です。
2.頸椎牽引が有効である。
誤り。頸椎に起因する症状に対する治療です。
3.関節可動域訓練は禁忌である。
誤り。拘縮予防に不可欠で、痛みの範囲内で愛護的に行います。
4.星状神経節ブロックが有効である。
正しい。上肢の交感神経を遮断し、血流と痛みを改善します。
覚えるポイント
- 肩手症候群=脳卒中後の複合性局所疼痛症候群。麻痺側の肩と手の痛み、腫脹、拘縮。
- 治療=星状神経節ブロック、温熱療法、愛護的な可動域訓練、薬物療法。
- 予防=麻痺側上肢を引っ張らない、肩関節亜脱臼の保護、早期からの愛護的な訓練。
- 星状神経節ブロック=上肢と頭頸部の交感神経を遮断。血流改善と鎮痛。