25AM6|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
遺伝する疾患はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
先天異常のうち、遺伝するものを区別する問題です。
解説
フェニルケトン尿症は、フェニルアラニンを分解する酵素(フェニルアラニン水酸化酵素)が先天的に欠損する常染色体劣性(潜性)遺伝の先天性代謝異常症です。したがって遺伝する疾患であり、これが正答です。
放置するとフェニルアラニンが蓄積して脳の発達が障害され、知的障害、けいれん、色素の減少(髪と皮膚が薄い色になる)、特有の体臭が生じます。日本では新生児マススクリーニングの対象となっており、早期に発見してフェニルアラニンを制限した食事療法を始めることで、知的障害を防ぐことができます。新生児マススクリーニングの対象にはほかに、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)、先天性副腎過形成症、ガラクトース血症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症などがあります。
ハンセン病は、らい菌(細菌)による感染症です。末梢神経と皮膚を侵しますが、遺伝する疾患ではありません。感染力は極めて弱く、現在は多剤併用療法で治癒します。かつて日本で行われた強制隔離政策による深刻な人権侵害の歴史があり、1996年にらい予防法が廃止されました。
**アザラシ肢症(フォコメリア)は、四肢の長管骨が短縮または欠損する先天異常で、妊娠初期のサリドマイド服用によって生じたことが知られています。すなわち薬剤という外因(催奇形因子)**によるものであり、遺伝によるものではありません。この薬害を契機に、医薬品の安全性審査が大きく強化されました。
先天性風疹症候群は、妊娠初期の母親が風疹に感染することで、胎児に白内障、心奇形、難聴などが生じるものです。胎内感染によるものであり、遺伝ではありません。予防にはワクチン接種が重要です。
選択肢の確認
1.ハンセン病
誤り。らい菌による感染症です。
2.アザラシ肢症
誤り。サリドマイドという薬剤による先天異常です。
3.先天性風疹症候群
誤り。妊娠初期の風疹の胎内感染によります。
4.フェニルケトン尿症
正しい。常染色体劣性遺伝の先天性代謝異常症です。
覚えるポイント
- フェニルケトン尿症=常染色体劣性遺伝、新生児マススクリーニングの対象、食事療法で知的障害を防げる。
- 先天異常の原因=遺伝(染色体、遺伝子)、感染(風疹、トキソプラズマ)、薬剤(サリドマイド)、放射線、環境。
- 先天性風疹症候群=白内障、心奇形、難聴。ワクチンで予防。
- 器官形成期(受精後8週まで)が催奇形因子に最も弱い。