25AM61|第25回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
肺癌患者にみられる所見と浸潤部位の組合せで正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
肺癌の浸潤によって生じる症状と、侵される構造を対応させる問題です。
解説
上大静脈は、頭頸部と上肢からの静脈血を集めて右心房へ注ぐ太い静脈で、上縦隔を走行します。肺癌(特に右上葉の癌や縦隔リンパ節転移)がこれを圧迫すると、還流が妨げられて上大静脈症候群を生じます。
症状は、顔面と頸部、上肢の浮腫、顔面の紅潮とうっ血、頸静脈と胸壁の静脈の怒張、頭重感、呼吸困難です。したがって「顔面浮腫-上大静脈」が正しく、正答です。上大静脈症候群は緊急性の高い病態であり、放射線療法や化学療法、ステント留置による対応が行われます。
嗄声-交感神経の組合せは誤りです。嗄声(声がれ)は、声帯を動かす筋を支配する反回神経が障害されることで生じます。特に左反回神経は大動脈弓を回って上行するため、左肺門部や縦隔の病変で侵されやすくなります。交感神経ではありません。
縮瞳-反回神経の組合せも誤りです。縮瞳は、交感神経の経路が障害されることで生じ、ホルネル症候群(縮瞳、眼瞼下垂、眼裂狭小、患側顔面の発汗低下)の一症状です。肺尖部に生じた癌(パンコースト腫瘍)が頸部交感神経幹を侵すことで起こります。すなわち、選択肢1と3は「交感神経」と「反回神経」が入れ替わっています。
腰痛-横隔神経の組合せも誤りです。横隔神経が侵されると、横隔膜の麻痺により患側の横隔膜が挙上し、呼吸困難やしゃっくりが生じます。腰痛ではありません。なお、肺癌による腰痛は、骨転移によって生じることが多くあります。
選択肢の確認
1.嗄声-交感神経
誤り。嗄声は反回神経の障害によります。
2.顔面浮腫-上大静脈
正しい。上大静脈症候群による還流障害です。
3.縮瞳-反回神経
誤り。縮瞳は交感神経の障害(ホルネル症候群)によります。
4.腰痛-横隔神経
誤り。横隔神経の障害では横隔膜が麻痺します。
覚えるポイント
- 上大静脈症候群=顔面と上肢の浮腫、頸静脈と胸壁静脈の怒張、呼吸困難。緊急性が高い。
- 嗄声=反回神経(特に左)。ホルネル症候群(縮瞳、眼瞼下垂)=交感神経(パンコースト腫瘍)。
- 横隔神経=横隔膜の麻痺としゃっくり。
- 肺癌の最大の危険因子は喫煙。確定診断は気管支鏡による生検や喀痰細胞診。